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先に我慢できなくなったのは、俺。

ドイツが車をガレージに入れて、エンジンを切るのを待って。ドイツの首を引き寄せました唇を重ねた。
舌を入れて、深く口づけを交わしていると、ぐい、と体を押された。

んん!?と声を上げるが、ドイツはそのまま助手席の方に体を乗り上げてきた。
ど、どうしたんだろ、と困惑していると、体をまさぐられだす。
慌てて口を離して、あの、ど、ドイツ?と肩を手で押すと、彼は、まっすぐ見た。
強い瞳に、少しひるむ。
「イタリア、」
我慢しよう、とは思ってたんだぞ、なのに、おまえが。
責めるような声に、だ、だって、と声を上げる。

だって我慢できなかったんだ。久しぶりの二人きりで、なのにドイツは家につくまで待てって。もう我慢なんてとっくにできなくなってるのに。
そう思っていたら、ドイツはがちゃがちゃとベルトをはずしはじめた。
「え、えっドイツ、」
ここでするの、と慌てると、ダメか、と聞かれた。
「イタリア、おまえが欲しいんだ。嫌か?」
そんなまっすぐに言われて、こんなところで、戸惑いはするけど、でも、嫌なわけがなくて。
「…やじゃ、ないよ。」
小さく言ったら、キスされた。

がたごと、と音を立てて、ドイツが取り出してきたのはいつものローションで、何でここにあるの、と聞いたらヒミツだ、と言われた。
狭い空間に、水音が響く。
前と後ろを、性急に解きほぐされて、首を振る。
ちょっと苦しい。でも、頬に当たる感覚が、柔らかいシーツでなく、固い座席なのが、熱を煽って。
「は、あん…っ!」
「痛くないか?」

痛くない、と答えた途端、一番弱い先端と、中の弱いところを攻められて、やだぁ!と声を上げた。
「やだ、やだっイきそう、」
「イけばいい。」
「や、だって、汚れる…!」
ここが車の中だというのが、どうしても気になってしまって、首を横に振ると、ああ、とどうでもよさそうに呟かれ、ひょい、と後ろの座席に手を伸ばした。

「ド、イツ?」
「あった、」
戻ってきたドイツが、また強く刺激を始めて、予期していなかった刺激に、体が震え出す。
「やだ、やだよっ!あ、んっ!」
「いいから」
ざらり、と、手ではない感覚が、自身をつつんで、もう耐えきれずに達した。
しがみついて、飛沫を飛ばす。
はあ、と息を吐くと、ドイツがタオルで下半身を拭っているのが見えた。タオルで受け止めたらしい。シートとかは汚れていなかった。
「ドイツ、」
呼んだら、ぎちり、と押し倒された。
「…いい、か。」
いつもなら、もう一度くらいイかされるのに。そんなことを思いながら、嫌な訳ない、と囁いた。

一気に奥まで入れられる熱。それだけでイってしまいそうなほど気持ちがいい。
は、と息を吐いて、締め付けてしまう中をゆるめようと必死になっていたら、いきなり律動をはじめた。
「あ、やっ待って…っ」
「悪いが、待てない」
そう耳元で言うドイツの声が、切羽詰まっていて、ぞくぞくする。よけいに締め付けてしまって、久しぶりの感覚に、頭がおかしくなりそうだった。

「ド、イツもっと、ゆっくり…!」
「無理だ」
きっぱり言われて、前まで扱かれたら耐えられるわけもなくて。
上げた声は、ドイツに飲み込まれた。


荒く息を吐いていると、後始末をしていたドイツが、がちゃ、と車のドアを開けた。
出て行ってしまうドイツに、声をかけようと口を開くと、その前に抱きあげられて、驚いているうちに、ずかずかとどこかへ向かって歩き出す。
廊下を通って、リビングを通り抜け、この先にあるのは。
気づいて、鎮まったはずの体の熱が、またくすぶりだす。
予想通り、寝室のドアを開けたドイツは、そのまま俺をベッドに寝かせて、覆いかぶさってきた。
「…足りない。」
低い声に、俺も、と呟いて、しがみつく。

ねえ、もっと愛して。もっと求めて。もっとちょうだい。
寂しさで空いてしまった心の隙間を、満たして。
そう囁いたら、いくらでも、と笑う声がした。

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アンケートリクより「車の中でエロ」でした。
全然車の中ってこと活かせてない気がするんですが、えっと、どうなんでしょうか?
でも、結局らぶらぶな二人が書けて楽しかったです。

こんなですが、少しでも気に入っていただけたら幸いです。
ありがとうございました!































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どさ、と放り投げられて、上からのしかかってくるドイツの笑みに、昔兄ちゃんが言ってた『あんなやつどSで変態に決まってる!』という言葉が、頭をよぎった。


約束はしてなかったけど、なんだか会いたくなってドイツの家に行ってみたら、玄関に酔ってまっすぐ立てなくなったドイツと、それを支えるギリシャがいた。
会議後の宴会で、フランス兄ちゃんにかなり飲まされたらしい。まだ夕方と言ってもおかしくない時間なのに。

家が遠いギリシャにいつまでもいてもらうわけにもいかなくて、俺が変わって何とか一人で立つドイツを、寝室まで送って。
がちゃ、と寝室のドアを開いて振り向いた瞬間、軽く抱き上げられて、ベッドに放り投げられてしまった。


多い被さってくるドイツが、何だか人の悪そうな笑顔を浮かべるのが、とても怖い。
「ドイツ、」
名前を呼ぶと、頬をなでられた。なあイタリア。呼ばれて、びく、と震える。
「な…何?」
「したい。」
何を、と聞く前に、くるんを舐められて、ひぁ、と声が漏れた。
根元から、舌先で撫でるようにされて、体中から力が抜けていく。体の中に、熱がくすぶりだす。
「や…っど、ドイツ?」
けれど、同時に困惑した。いつもは、俺からしようって誘うのに。シたい、なんて言われたの初めてで、どうしていいやらわからない。
「イタリア」
「な、何?」
呼ばれて目を開けると、にやり、と笑ったドイツがすぐ近くにいた。…ちょっと酒臭い。
「今日は、俺の好きにしてもいいか?」
「ヴェ?」
何のことかわからないセリフに、もう一度いいよな、と念押しされて、とりあえずこくん、とうなずいた。

軽率な行動はするな、とよくドイツに怒られるけど、今日ほど後悔したことはない。

「や、あ、ど、ドイツ、やめ…っ!」
「どうしてだ?気持ちイイんだろう?」
くす、と笑って、ドイツは指の間を舐める。びりびり、と腰に電流のような感覚が走り、思わず声を上げた。
「ここも性感帯なのか…」
セイカンタイ、ってなんだろう、思っていると、指を噛まれた。ぬるり、と舌を絡められて、またびりびりして、やだぁ、と手を引く。でも、離してくれない。圧倒的な力の差。

気持ちイイのは好きだ。けれど、こんな、気持ちいいのに、足りないのは初めてで、直接触ってもらえない腰が、震える。

「ど、ドイツ、もう、」
「好きにしていい、と言ったのはおまえだぞ?」
あう。そう言われると、なにも言い返せなくなる。楽しげな、ドイツの顔。何だか泣きそうになってしまう。
離してくれない指が、くちゅ、と音を立てて吸われて。
「で、も、俺、もう、」
「イきたいか?」
こくこくうなずく。片方の手はまだ舐められていて、もう片方もドイツがつかんだまま。その上でしっかり動きを封じられた俺にできるのは、足をすりあわせることくらいで、それじゃあ全然足りなくて。
「ドイツ…っ」
助けて、と見ると、彼はゆったり、と笑って、手をのばして、触れた。
「ひあ…っ!」
慌てて、ドイツの手をつかんで、それを止める。
「どうした?」
「や、待って、なんか、変…っ!」
おかしい。いつもの感覚と全然違う。それが怖くて、ぎゅ、とドイツの手を自身から離そうと引っ張るのに、動いてくれなくて、代わりに、上下に扱かれて、俺のものとは思えない声を上げた。

いつもと違う。いつもなら、ぞくぞくする感じなのに、そんなんじゃなくて、そんな程度じゃなくて、触られただけでイってしまいそうな、強すぎる快楽。

「ああ…敏感になってるのか。」
散々焦らしたからな、とぼそ、とドイツは呟いて、やっと手を止めてくれて、はあ、と息を吐いた瞬間、それをくわえ込まれて、熱とか、力とか、濡れた感触とか、もう我慢できるわけもなくて、あられもない声を上げて、腰を震わせた。

吐き出したそれを、出す先から全部吸い取られて、まだイってるのに先端をえぐってくる舌や、後ろをほぐそうとする指に、おかしくなってしまいそうになって首を振る。
「や、やだあ!や、やめて、ドイツ、おかしくな…っ!」
「なればいい。」
そう笑って、後ろにぐ、と入ってきた指の感覚に、またびりびりと背中が震えだして。
「んああっ!ま、待って、おねが、や、だめ、そんな、あ、激し…っ!」
もう体がいうことを聞かない。ぐちゃぐちゃ、と立つ音にあわせて勝手に跳ねる。

頭の中でスパークがはじける。視界が白く染まる。
それが怖くて、伸ばした手が空を切って、触られている部分よりもっともっと深いところがうずいて、まだ、なんとか動かせる口で、名前を呼ぶ。

「どうした、イタリア。」
頬をなでてくれる手にすがりついて、涙でにじんで見えずらい視界で、青色を探す。
「あ、んっ!た、足りな、ドイツ、も、入れて…っ!」
「どこに。何を。」
「ひっ、い、今、指、入ってるとこ、に、ドイツの、入れ、て、おねが…っ!」
何にも考えないまま、口にすると、インランだな、イタリアと、ドイツが笑った。

ずるり、と抜かれる指より、あてがわれる熱いそれより、唇にくれたキスがうれしくて、ドイツの首にしがみつく。

ずん、と一気に奥まで貫かれて、一瞬意識が飛んだ。
けれど、すぐに動き出すそれに、引き戻されて、必死になってドイツの体にしがみついた。
いつもの比でなく激しい動きに、ただ意味の無い声を上げる以外の何もできなくなって。

もうほとんどその機能を果たさない聴覚に、イタリア、愛している、と聞こえた気がした。俺も、と返した返事は、届いたのかどうか。



「…い、イタリア…。」
ドイツは、困り果てていた。

原因は、目の前の布団の塊。正確には、布団を頭からかぶってでてこないイタリア。

「す、すまなかった、だから…。」

その理由が、昨夜の自分だというのはわかっている。
フランスに散々飲まされたあとの記憶は、部分部分空白だが、イタリアを組み敷いてからの記憶は、鮮明すぎるくらいに残っていて。

だから、明らかに自分が悪くて、けれど、こんな事態は初めてで、どうしていいやらわからなくて。
「イタリア、」
とりあえず名前を呼ぶと、ドイツ、とかすかな声が聞こえた。
口を閉じて続きを待つと、かすれた声が、小さく。
「ドイツ、俺のこと、嫌いになってない…?」
「何でそうなる!?」
「だ、だって、俺、昨日、変で、お、おかしくなってて、それで…。」
だから、ドイツに嫌われたんじゃないかって。
布団の端だけ持ち上げて、おそるおそるこっちを伺う、そんな、可愛らしい心配に、安堵しながら、愛しくてたまらなくなって、覗く手にキスを落とす。
「誰が嫌いになんてなるか。」
「ほ、ほんと?」
うなずくと、よかった、という声が聞こえて。
「…ほら、布団にくるまってないで、出てこい。」

そう促すと、何故か布団は沈黙して、どうした?と尋ねると、あのねドイツ、と言いづらそうな声がした。
「あの、か、体が全然動かないんだけど…。」
………明らかに。原因は昨日の自分だった。
「す、すまない…。」
赤くなりながらそう謝って、とにかく、と布団をどけて、同じように赤くなっていたイタリアに、おはようのキスをした。

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アンケートリクより、「酔った勢いで、独伊エロ」でした〜

伊を酔わせるのはもうやったし、じゃあ独か!やっぱどSだし…
と。書き終わってからやりすぎだろうと思いました。

うちの独は、どSとはいえ伊を傷つける方向には動かないと思います。どっちかというと、人より敏感な伊を延々焦らして、泣かせる感じ…。

ええと、こんなんですが。
リクエストありがとうございました!