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目が眩んだ。
「ヴェ?日本、どうかした?」
後ろから呼ばれて、はっと我に返った。
無意識のうちに伸びていた手を、慌てて引き戻し、必死に視線をそらして、何でもないです、とイタリアくんに笑いかけた。

ただでさえ、私の家とイギリスさんの家の間には、かなりの距離がある。気軽には超えられない距離。仕事が忙しい時期がくると、あっという間に会えない時間は蓄積されて。
特に、今回は長かった。本当に。
そして、今日は久しぶりに、本当に久しぶりにイギリスさんとお仕事だったのだ。

部屋に入り、久しぶりに、その美しい金色を目にした途端。

目が、眩んだ。
ほかに何も見えなくなる。駆け寄って抱きついて口付けを交わして、それから。

頭を振って考えを追い払う。仕事のことを考えなければいけないのに何を考えているんだろう。当たり前だがほかの国の皆さんもいるテーブルの、自分の席について、ため息。
そして、そんなに遠くない席に座るイギリスさんに目をやって、慌てて逸らした。だめだ。どうしても気になる。その白くて長い指が、形のよい唇が。私に気遣うように触れて、それから。
ああもうだからダメなんだってば!
それでも、消えない。淫らな考えが、頭から離れなくて。
おそるおそる、視線を彼に向ける。

エメラルドがまっすぐにこちらを向いていた。

「…あ、」
ざわり、と背筋を駆け上がる感触。
大慌てで視線を引きはがす。それでも、体の奥底でくすぶる熱は、もう引かなくて。
…どうしよう、と、困り果ててしまった。

仕事後、こんな状態でイギリスさんに会えるはずもなく、とにかく帰ろう、とホテルへ帰る準備をしていると、後ろに立つ影。
振り返ると、そこには。
「!い、イギリスさ、」
名前を呼びかけたら、片付け途中の鞄を奪われた。
そのままずかずか歩いていく後ろ姿を、追いかける。
「あ、あの、イギリスさん、」
「…来るだろ。」
俺の家。と、決めつけるように言われて、いやあの、今日はちょっと都合が、と返す。歩くスピードが速くて、ついていくのもやっとだ。
廊下に出てしばらく歩いて、不意にぴたり、とイギリスさんは止まった。
「…イギリスさん?」
あの、と肩に手を伸ばすと、くる、と振り返った。
「…自覚、ないのか。」
疑わしげな目で見られた。
「はい?」
何がですか、そう尋ねる前に、おまえ、と先に彼が口を開く。
「自分がどんな目で俺のこと見てたか、わかってるか?」
思わず、一歩下がった。
それでも、視線をそらすことが、できない。
燃え上がる、炎の熱を宿したエメラルドから。
「帰せるわけ、ないだろ。」
なあ、日本。
そう呼ばれる。いつもより低めの、吐息混じりの、声。体の中でくすぶっていた火種が、一気に燃え上がる。
「…来るよな。」
強い言葉に、うなずく以外に、選択肢などなかった。


イギリスさんの家に入るや否や、抱き上げられた。
向かう先は当然ながら寝室。
ベッドに放り出されて上から覆い被さってくる彼の首に手を回す。
がっつくようなキス。答えて舌を絡めているうちに、伸びてきた手が服を脱がしていく。
「は、」
不意に離されて息をつくと、悪い、ダメだ。そう囁かれた。
「え、」
「ちょっと、セーブできそうにない。…朝おまえを見てから、もう、おまえとこうすることしか考えられなかったんだ。」
「あ、」
同じだ。そう思った。私と同じ、だ。
それがうれしくて、体を少し起こしてキスをして、イギリスさんのネクタイに手をかける。
「に、日本?」
ほどいて、シャツのボタンを開け、唇を寄せる。
ぺろ、と鎖骨を舐めたら、びく、と彼の体が震えた。
「日本!?」
「…私も、同じです。」
イギリスさん、とほぼ吐息で囁く。
途端、抱きしめられた。
「…そんなこと言われたら。」
我慢なんかできないからな。覚悟しろよ。
低い声に、小さくうなずいた。

「あ…!あ、は…!」
体をよじると、逃げるな、と引き戻された。
つつつと胸を這う舌。足の付け根をまさぐる手。
というよりむしろイギリスさんという存在に感じてしまう。勝手にはねる体。上がる声。
「い、ぎりす、さん…!あ、あっ!」
ぐちぐちと自身の先端を弄られ、いやいやと首を横に振る。
「嫌?嘘だろ。こんなに気持ちよさそうにしといて」
「やぁ!そんな、はげし…!」
動きが激しくなった途端に、達してしまう。ぱたた、と溢れる白濁。
「は、あ…」
息を吐くと、片足を持ち上げられた。
指が、秘部の入り口を撫でる。期待でざわりと体が震えた。
「いやらしいな…」
耳元で囁かれて、顔を逸らす。
それでも、その先の快楽を知っている体に、我慢などできるはずもなくて。
「…は、」
「何?」
「はや、く…」
ほしい、と手を伸ばすと、かっと彼の顔が赤くなった。
「っ日本…!」
「あああっ」
かき回される中。奥まで入り込んだ指に、弱い部分を確実に刺激されて、頭が真っ白になる。
「すごい締め付けてくるな…」
「あ、ああんっだ、ダメ、だめ…っ」
強すぎる快楽が怖くてしがみつくと、抱きしめられた。
名前を呼ばれる。がっついてるのはわかってる。けど、もう。
熱い声に、小さくうなずいて答える。

あてがわれる熱。
「力、抜け」
そう囁かれるのとほぼ同時に、それが入ってくる。
「あ、あ…!」
背中にしがみついて必死に耐える。入れられているだけなのに、もう達してしまいそうだった。
「は…やばい、熱い…」
「あ、待って、動かないで…!」
腰を揺らされてそう頼んでも、無理だ。待てない。とせっぱ詰まった声で言われた。だんだんと速くなる動きに、もう動けないくらいに感じてしまって。
「あ、あっあん!」
「は、」
「や、あーっ!」
びくびくと体を震わせて達する。と同時に、中ではじけたのが、わかった。
「あ、んっ」
その事実に、余計に感じてしまって。
「…もっと、」
ください。そう呟いたら、すぐに中でそれが硬さを増して。
「日本…!」
愛していると、囁かれたともう正常に働いていない頭で考えて、返事の代わりに、噛みつくようなキスをした。



「どうするんですかもー!」
「っもっと、って煽ったのは日本だろ!」
言い返されて、かあ、と頬が熱くなった。
あれから、足りないとかもう一回とか、何度も強烈なのをシて、朝起きたら…腰が立たなくなっていた。今日も昨日の続きの仕事があるのに。起きあがることさえやっとで。
「…仕方ない。体調が悪いってことにしておくから。休んでろ」
それ以外に方法もなく、うなずく。
「俺は行ってくるけど…あ、勝手に帰ったりするなよ!」
スーツに着替えた彼がそう言うのを聞いて、安心してください、動けませんから。とそう返す。

今日は休み。そう決めてしまえば、眠気が襲ってきた。ぼすん、とベッドに倒れ込む。当たり前だ。明け方までずっと繋がっていたのだから。
「じゃあ、行ってくる」
そう背中を向ける彼に、ちょっと寂しくなって、強い眠気の中で呼ぶ。
「いぎりすさん」
「何だ?」
「はやくかえってきてくださいね。」
さみしい、ですから。そう言ったら、ぼんっと顔を真っ赤にしたイギリスさんが何か言った気がしたけれど、眠りの世界に落ちた耳には聞こえなかった。


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30303キリ番リクで「英日の帳」でした
両方ともに余裕ない感じで、ど、どうでしょうか?
日は英以上にエロいんじゃなかろうかと思ってます

こんなですが、少しでも気に入っていただけるとうれしいです
ありがとうございました!