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※性描写のある文章なのでご注意ください
あとたまに人名呼びしてます





ぱちり、と、目が覚めた。
視界を埋め尽くす黒色。…と、十字架。

「どっ、」
声を出しかけて、慌てて口を押さえる
黒いタンクトップを着たドイツが、目の前でぐっすりと眠っていたからだ。
いつ来たんだろう、と目をぱちくりさせる。

いつものようにドイツの家の寝室に忍び込んで、ドイツを驚かせようと布団の中で待っていて、そのまま眠ってしまったらしい。
いつもなら、服を着ろとかここは俺の部屋だとか言われて起こされるのに。

首を傾げながら彼を見つめ、ふと気づいた。布団の上に倒れ込むように眠る彼の穏やかな寝顔に、色濃く残る疲労。

疲れてる、んだ。

そりゃあ、そうだろう。
来る日も来る日も仕事仕事仕事。
最近はとくに忙しいらしく、遊びに来ても構ってくれないときが多々あった。
「ヴェ、」
起こさないようにそうっと、少しだけ乱れたオールバックの髪を梳く。
はら、と髪が落ちれば、いつもより幼い雰囲気。

「…ルート、ルートヴィッヒ」

滅多に呼ばない名前を呼ぶ。
今は、国、としての名前を呼びたくはなかった。
彼を疲れさせる原因の、その名を。
「ルートヴィッヒ…」
小さく、小さく、呼んで、そっと胸に触れる。

「…何だ」
「!」

低く囁かれて、驚いて顔を上げる
と、力強い腕に、包み込まれた。

「どうした、フェリシアーノ」
寝起きの低い、少しかすれた声。
滅多に呼ばれない名前に、少しだけ体が熱くなって。
「フェリシアーノ?」
「う、よ、呼ばないで」
小さく頭を振る
そうすると、彼はくつくつと笑って。
「フェリシアーノ…」
「や、だぁ…っ」
くるんを少し強く掴まれて、名前を呼ばれて、そして耳たぶを甘く噛まれた。
「あ、や、ぁ、ひっ」
「どうした?」
わざとらしい質問に、答えられる余裕もない。
ぎゅ、としがみついたら、ぎし、と押し倒された。

「や、なん、で…」
「おまえが悪い」
「ふぇっ?」

見上げると、苦笑が見えた。よく見る表情。けれど、その瞳に宿る強い炎
ごくり、と喉が鳴った。

「いきなり呼ぶから、悪い。」
「…、ルー、ト、ヴィッヒ、」
「…そんな甘い声で呼ぶから、悪い。」

なぁ、フェリシアーノ、と、耳元で低く囁かれて、体がくすぶるように熱くなってくる。
どうしていいものか困って、彼の背に手を回すと、彼は小さく笑った。



「ひ、や、あぁっ、や、それ、やっ、やだぁ…っ」

じたばたと逃れようと身じろくのに、重いドイツの体はどけられなくて。
「こんなによさそうなのに、か?」
「ひぅっ」
強くくるんを擦られて、ヨすぎていやなのと首を振る。

それなのに、立ち上がりはじめた自身をゆるゆると擦るように動く足を止めてはくれなくて

「や、どいつ、ドイツ…っ」
気持ちいいようと広いドイツの背中にしがみつく
「…イタリア、」
「や、どいつ、もう、もう…っ」
「耐え性のないやつだな…」
やれやれ、という声は、とても優しくて。
「ほら。」
ぐちぐちと手でいじられて、一瞬頭が真っ白になった
「あ、あ…っ!」
ドイツの手の中に白濁を吐き出して、はぁ、と息を吐くと、ちゅ、と額にキスが降ってきた。
「ヴェ、」
「大丈夫か?」
こくんとうなずくと、そうか、ともうひとつキス。
普段もこれくらいたくさんしてくれたらいいのに、と、たゆたう思考の中考える

「イタリア?」
「ドイツー、キスしてキス〜」
いつもと同じ調子で言ってみると、瞳に蒼い炎を宿らせたドイツにすぐに口を塞がれた。


熱くて、溶けてしまいそう

「あ、あぁ…っ」
ずず、と奥へ奥へと入ってくるそれの感覚が、思考や体を焼き尽くしていく

「…は、大丈夫か…?」
頬を手の甲でなでられて、その手にすり寄る。
「へいき…」
うるんだ視界で見上げる。
すると、額にキスが一つ。
えへへ、と笑って、彼の背中に手を回す。
少しからだを動かすだけで、入ったそれがぐちゅ、と中をえぐる。
「んっ…!」
「はっ…」
見上げると、眉を寄せて快楽に耐えるドイツの表情。
ぞく、と背中にしびれが走った。

「…ルート、ヴィッヒ…」
名前を呼ぶと、彼の熱い視線が貫く。
「…フェリシアーノ、動くぞ。」
いつもよりずっと低い声で囁かれて、耐えられなくなって、はやく、と急かす。
ゆる、と動かされただけで、ひぁん、と高い声が漏れて。

その途端、がっつりと太ももを掴まれて、耳元で、すまん、と低い声。


あとは、激情の荒波の中。




「…りあ、イタリア、」
呼ばれて、目を開ける。
いつのまに寝てたんだろ、思いながら、見上げると、安心したようなドイツの顔が見えた。
「大丈夫か?」
「へーき」
答えて、驚いた。声が全然出ない。
「…すまない」
止まらなかった、と言いながら渡してくれた水を、体を起こして飲む。
少し体を動かしただけでずきずきと腰が痛む。
顔をしかめると、ドイツが心配そうな表情になった。
ちょっと聞きたくなって、ちら、と見上げる

「ルートヴィッヒ」
「…何だ」
「満足?」

最後の方の記憶は、もう曖昧でよく覚えていない。こんな風になったのは初めてだ。いつもは、聞くと困ったように詰まっていた質問。今日は、あんなにいっぱいした今日は、どうなんだろう?
ドイツは、いつものように湯気が出るほど赤くなって。
「…っ!」
「まんぞく〜?」
にへら、と笑って尋ねると、ぐい、と体を引き寄せられた。耳にあたる吐息。
「…ああ。」

とてもよかったぞ、フェリシアーノ。

低い声でそう囁かれて。
こっちがかぁあと真っ赤になってしまった。


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ドアを開けると、いつもどおりの光景。
うれしくなって、服を脱いで、ベッドにダイブ!

ここに来るのも久しぶり。…兄ちゃんがためまくってた仕事の片付けに、巻き込まれたの、俺絶対悪くないと思うんだけど…
やっとの思いで終わらせて、来てみればドイツはまだ仕事中で『悪いな。』とすまなそうに言うから、じゃあシエスタしてる、と寝室にやってきたのだ。

シーツに顔を埋める。…わあ、ドイツの匂いだ。うれしくて、楽しくて。枕を抱きしめる。それも、ドイツの匂いがした。
…いつもだったら、こんなことしてたら、おまえは、とドイツが呆れたように言って、それから。
『イタリア…』
思わず、のどを鳴らした。
するり、と体をなでられる感覚が、した。そんなわけないのに。
「…ドイツ、」
呼ぶ声が、思いの外熱を帯びていて、ぞくん、とする。
「あ…」
もぞ、と足を動かした。
立ち上がり始めてしまった自身が、冷たいシーツに触れる。その感覚が気持ちよくて、腰をすり付けるように動かした。
『…気持ちいいか?』
笑いを含んだ声がした。
ぞくぞくと背中が粟立つ。だめ、思い出しちゃう。
『イタリア。』
呼ばれた。抱きしめられて、耳元で。何度も繰り返してきたこと。頭の中で反芻して、しまって、もうダメだった。
見つかったら、怒られる。
それでも、止まれそうになくて。
自身をそっと、握った。

ぐちぐちと、強めに扱く。それと一緒に、後ろに入れた指を動かした。
自分でするときでさえ、後ろを擦らないと満足できなくなったのは、ドイツのせい!
「…は、ドイツぅ…」
ドイツと同じように指を動かしているはずなのに、足りない。ドイツの指はこんなんじゃなくて、もっとごつごつしてて、大きくて。
そう思いながら、指を増やして、弱いところを擦る。これがドイツだったらいいのに。そう思ってしまって、首を横に振って、自身を扱くのを早くした。
「んん…っド、イツ…!」
ぎゅう、と目を閉じて、シーツに顔を押しつける。
目を閉じると、ぐちゅぐちゅと、自分から聞こえる水音が大きくなった気がした。
『聞こえるか?』
耳元で囁かれると、かぁ、と顔が赤くなってしまう。いやらしいな。って、笑われても、だって。ドイツがそんなに強くするから。
ドイツと最後にシた記憶を辿る。それだけで、後ろがぎゅ、と締まり、自身が一段と固くなった。腰がくねる。もうイってしまいそう。そう思って、弱いところを強くえぐった。強すぎる快楽に、腰が跳ねる。
「もっと、シて…ドイツ…!」

名前を呼んだ後で、水音とシーツがこすれる音しか聞こえなかった耳に、がちゃり、という音が飛び込んできた。
まるで。ドアを開ける音のような。
気のせいかなと思ったけど、ぎしり、と床が軋む音まで聞こえてきて、動きを止めた。動けなくなった。

もうイきそうなほどはりつめた自身がつらい。けれど、全神経は耳に集中していた。
目を開けることすらできなくて、荒くつく自分の吐息と暴れる心臓がうるさい。
ゆっくり、近づいてくる足音。

ドイツ、と声をかける前に、目を開ける前に、ぐい、と体を引かれた。
「ヴェっ!?」
驚いて目を開けると、まっすぐ見つめてくる青い瞳。
恥ずかしいとかそういうことよりも、その瞳の色にぞくぞくしてしまった。
青いのに熱い、炎のような、瞳。
小さく笑うその表情が、えっちの時にしか見れないものだから、余計に。
いつのまにか、ドイツの膝に向かい合うように座らされていて、近い距離に、期待で震えた。

なのに。
「ほら、続きは?」
「…ヴェ?」
笑われた。何を言われたのかわからなくて、見上げると、ほら、と手を捕まれて、自身に押しつけられた。
え、と思っていたら、ほら、と手を動かされて。さっきまでイキそうになっていた体には強すぎる刺激にやあ、と声を上げた。
「イタリア。」
促すように呼ばれる。
なんだか泣きそうになりながら、自身に触れる。なんでドイツが目の前にいるのに。
そう思っていたら、後ろはいいのか?なんて笑われた!
「っ意地悪…!」
ごつ、と額を肩にぶつける。それから、後ろに手を伸ばした。
くちゅ、と音を立てるそこに、かあ、と全身が熱くなった。きっとドイツにも聞こえてる。恥ずかしい。
でも、額を肩にすり付けたら感じた、シーツの残り香なんかよりずっといい匂いに、頭がくらくらして。ゆっくり、でもだんだん早く、手を動かし出した。
さっきまでと同じ動き。なのに、全然違って、すごく気持ちよくて、声がでてしまう。
「ダメ、んっ、ドイツ、ドイツ…!」
「気持ちいいか?」
耳元で声。こくこくうなずいて体を追い上げる。
「んっあ、もう…イっちゃ…!」
「ああ、イっていい」
低く言われて、声を上げて登りつめた。

ドイツの肩に顔を押しつけたまま動けないでいると、濡れた手をタオルで拭われた。
それから、頬に触れる手。
顔を上げると、口付け。久しぶりのそれに、自分から舌を絡めてドイツを求める。
首に腕を回すと、抱き寄せられるのがうれしくて、ちょっと泣きそうになってしまう。唇を離すと、つながる銀糸。
「ドイツ…」
さっきイったところだけど、でもキスだけでもう気持ちよくって、またうずき出した場所をドイツに触れて欲しくて、名前を呼んだ。
「…ああ。」
ドイツは、小さく笑って、それから、体重をかけて押し倒してきた。

自分でほぐしたからもう入れてって言ったのに、ドイツは怪我するといけないから、と首を横に振って、俺をうつ伏せにした。
腰だけ上げられて、ひくついてるな、なんて言われて、耳まで熱くなる。
「や、ドイツ…んぁっ」
びくびく、と震えた。秘部の入り口を、舌先でつつかれる。
それからゆっくりと入ってくる舌の感覚は、一人では絶対に感じられないもので、ふるふると首を横に振った。
「あ、入ってく、ぁ、や、そんな…!」
舌先で弱いところをぐりぐりと押し上げられて、もう声もでないくらい感じてしまう。
思わず逃げようとするが、腰をしっかりと固定されて、どうしようもなくてシーツにしがみつく。
舌を出し入れされて、腰が揺れた。頭がおかしくなってしまいそう!
おかしくなってしまう前に、意識が飛んでしまう前に、ドイツを感じたい。そう思っただけで、中がぐちゅ、と音を立てて締まった。耐えられなくなる。
「や、もうドイツ、ダメ、もう入れて…っ!」

上擦った声でそう言うと、舌が出て行く。
は、と息を吐くと、シーツを握りしめた手の上に、ドイツの手が重なった。
くるんに吐息が当たって、びく、と震える。
「…イタリア…」
名前とともに、ず、と入ってくるそれ。熱い。大きい。
「ああぁ…っ!」
「は、…力、抜け…っ」
低く言われて、必死に息を吐く。
奥まで突き上げられて体が震えた。
もうすぐにでもイってしまいそうだ。
「は…ドイツ、おっきい…」
「…っイタリア…!」
ずぐん、と大きくなったのを一番敏感な場所で感じて、背筋を反らした。首元に吸い付かれる。

「…動くぞ、」
うなずいたら、深く強く穿たれた。甲高い声が喉から出て、あまりに強すぎる刺激に、でもしっかりと腰を掴まれていて快楽を逃がすこともできなくて、ただ受け止めることしかできない。
体を揺さぶられる。低い、イタリア、と呼ぶ声。それに答えることもできず、ただ意味のない声を上げ、快楽を追った。
「も、もう、んあ、あ、あ、あぁーっ!」
体を震わせて白濁を吐き出す。
それにあわせて、低い呻き声がして、中ではじけたのを感じた。


息をつく。もう体に力が入らない。
「…は、…大丈夫か?」
「な、なんとか…」
そう答えると、大きく息を吐いたドイツが、ずる、と自身を抜き出した。
「んぁっ、待って…っ!」
止めると、どうした、と聞かれた。
「…もう一回」
顔見ながらシたいの、そう振り返っていったら、ドイツの顔がかああ、と真っ赤になった。
「…っおまえは…っ!」
「え、あっ!んぅ…」
入ったままでぐ、と体を回されて、抱き寄せられ、また固くなったそれに、奥を擦られた。
目の前のドイツの体に抱きつく。やっとほっとできた気がした。
「ドイツ…」
「…文句は受け付けない。」
煽ったのはおまえだからな。…文句なんか言わないのに。そう言う前に、唇をふさがれた。

後はまた、何も考えられない世界におぼれるだけ。


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