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イチゴに練乳かけたのを、ドイツの手で食べさせてもらって、はにゃ、と笑う。
「おいしーい」
「…そうか。」
少し遅れた答えにん?と思っていたら、目の前にあるドイツの指に、練乳が付いているのに気が付いた。舌をのばして、舐めとって、ちゅ、ちゅ、と吸い付く。甘い。
「…イタリア。」
「何?」
「煽っているのか?」
「ヴェ?何が?」
首を傾げたら、いや、違うならいい、とため息。
あおる…煽る?ねえそれって、そういう気分になったってこと?
とくん、と心臓が高鳴った。誤魔化すようにもう一個イチゴーと笑ってみせる。今度は練乳いっぱい!
「…はいはい。」
指に垂れる練乳。赤く熟したイチゴをあーん、と口に入れる。甘くておいしい。
それから、ドイツが引っ込めようとした手首を両手で掴んだ。
「…っ!」
指に舌を這わせる。見せつけるように、わざとらしく。白いそれを、舐めとる。甘い、味。
ちら、と見上げる。蒼い瞳が見下ろしてきていた。
「…わざとか?」
低い声に、えへへーと笑ってみせる。
ため息。ぐい、と引き寄せられて、わ、と思っていたら、抱き上げられた。
慌ててしがみついたら、そのまま迷いもせずに寝室へ。

ベッドの上に座らされて、見上げると、片手を握られた。
「…おまえがしたこと、やってやろうか」
「へ?」
ぱちぱち瞬いていたら、人差し指をぱくりとくわえられた。
「!」
赤い舌が伸びて、ねっとりとなめ回す。裏も表も全部。ちゅ、と指先を吸い上げる音さえ響く。…まるで、自身に施すような愛撫。あまりに妖しいその光景に顔を真っ赤にして、それでも顔をそらせなかった。妖艶な光を放つ蒼い瞳に、まっすぐに見つめられて、目が離せない。
「…感想は?」
くわえたまま言われて、お、俺と泣きそうに答えた。
「俺そんな卑猥なことしてないもん!」
「ひわ…俺はおまえがしたことを忠実にまねただけなんだが?」
くすり、と笑われて、そ、そんなことないもん、と顔を赤くして呟く。
「さっきしたのに…まだ足りないか?」
そう、さっき一緒にお風呂に入ったときに、シた。なあ、イタリア。そうのしかかるように言われて、思わずのけぞる。背中が、シーツに当たって、逃げ場所がなくなった。
少し怯えて見上げたら、ゆっくりと顔が近づいてきた。目を閉じると、唇に触れる感触。軽く開いた口の中に入ってくる、舌。
「んふ…っ」
くちゅり、と音が響く。歯茎や舌の付け根を舐めとられて、すぐに意識がとろんとしてきた。
ゆる、と離される唇。ゆっくりと目を開けたら、笑われた。

「なに…?」
「足りないって顔してる」
足りない?それはそうだ。…足りない。それはそうだ。だってこの数週間、ドイツは仕事漬けで会ってくれなくて、ドイツの家に行くのもだめって言われて、それでほんとに久しぶりで。
「…足りないもん…。」
首に手を回して、甘えるようにすりつく。足りるわけがない。もっと、ドイツを感じたい。だって、本当に寂しかったんだから!
「…イタリア。」
呼ばれて、見上げたら、柔らかく微笑まれた。思わず見とれたら、ぐい、と引き起こされる。
「ヴェ?」
引き起こされるまま、座ったら、ちゅ、と手のひらにキスされた。
手の向こう側に、優しい瞳が見える。
とくん、と心臓が高鳴った。
「ドイツ…」
「来い。」
柔らかく呼ばれて、ふら、とその腕の中に倒れ込むように抱きつく。
「愛している」
とろけるような声で囁かれて、体がふにゃふにゃになる。
耳たぶに優しいキス。もう頭がくらくらして。全身の体重を預けたら、ゆっくりと手が体を這いだす。エロいけど、優しくて気遣うような、手つき。
はあ、とため息をついたら、唇をふさがれた。触れるだけのキス。体を覆うように抱きしめられて、ドイツって大きいんだよな、と再確認。勢いをつけて跳び付いたって、倒れない体。ぎゅう、と抱きついて、そのむきむきな体に手を回す。
「俺だって、足りない。」
イタリア。甘く呼ばれて、顔を首元に埋められて、その後頭部に手を伸ばした。
くしゃ、とかき乱す、細くて短い金色の髪。

「…んっ。」
顔を埋めたままのドイツに鎖骨のあたりを、舐められた。いつのまにシャツのボタンはずしたんだろう。もう胸元がはだけるくらいにははずされていて。
ちろちろと舌がくすぐるように首元や鎖骨を辿る。けれど、生まれるのは、くすぐったさよりも、もう少し強い感覚で。
「は、あん…。」
「気持ちいい、か?」
うなずいたら、顔をずらされた。突起のまわりを舐められる。
「あ、や、ドイツ…っ」
焦らさないでよう、と押しつけるように胸をそらしてしまう。
「淫乱。」
「やっ笑わないでっ」
ふるふると歯が当たる。むずかゆいような感覚も、快楽と受け取ってしまうのは、ドイツのせいだ。
「は、やくぅ…」
見上げると、ちゅう、と胸を吸われた。
「あ、あ!」
舌が突起を撫でる。きゅう、と首にすがりついて、気持ちよさをやり過ごす。それと同時に感じる切なさ。ドイツ、甘ったるい声が出た。
「こっちも、だろう?」
くに、ともう片方を指で押された。ひゃう、と声が高くなってしまう。
「かわいいな。」
そんなこと、普段は全然言わないくせに。そんな顔だって、しないくせに。
笑ったドイツの、本当に愛しいものを見るような視線に、体温が勝手に上がっていく。空気が足りなくて、ひゅ、と息を吸い込んだ。
…せっかく吸い込んだそれも、すぐに甲高い声になって吐き出されてしまうんだけど。

左胸を舐める舌と、右胸をいじる左手。じゃあ、右手はどうしたんだろうと思っていたら、ずる、とズボンを脱がされた。下着越しに自身を撫でられる。
「んあっ!」
「濡れてるな…。」
くす、と笑う声が聞こえた。自身を、指先で辿るような右手の動きに翻弄されていたら、いつのまにか胸から離していたドイツの顔が、すぐ近くにあった。
目が合って、閉じたら、口付け。甘くて、深い。口の端から、どちらのものかわからない液体が、こぼれて。
腰を支える左手は、何より俺をつなぎとめる拘束になる。感じるところを下着越しにピンポイントで攻められて、思わず逃げようと動く腰をしっかり引き寄せる。
「ん、んあ、や、ん、ふあ、や、ああっ!」
息が苦しくて首を振って長いキスから逃れたら、下着の中に入り込んできた手に上下に扱かれた。今更、そんな強い刺激に耐えられるわけもなくて。
「あ、も、もう、い、イっちゃう、イっちゃ…!」
「ああ。」
いいぞ、と言われたと同時に、ドイツの体にしがみついて体を震わせた。
頭の中がちかちかする。ゆっくり力が抜けて、こてん、とドイツの肩に頭を乗せた。

「ど、いつぅ…。」
「何だ。」
言いながら、下着を脱がされる。力の入らない体で、だけど協力して腰を浮かしたら、頭を撫でられた。いつもと変わらない動作。ちら、と見上げるけど、ドイツの目はこっち向いてない、から、無意識なんだろうな。きっと。
そう思ったらなんだかうれしくなって、ヴェー、と笑う。
「どうした?」
きょとんとしたドイツに、あのね、と呟いた。
「すき。」
囁くように言えば、目を丸くした後、俺もだ、と額にキスをくれた。
背中に回される手。ゆっくりと、ベッドに寝かされる体。その後、ばさ、とドイツがシャツを脱いだ。
言われて足を開いたら、その間にドイツの体が入る。すす、と足を撫でられた。
「あ、ん…。」
「おまえは本当に綺麗だな…。」
する、と太股を撫でて、柔らかいところに吸いついて、キスマークをつける。…ドイツが好きな動作だと、知っている。心底うれしそうにそんなことするから、俺はこれに弱い。
「は、あ…。」
足をもう少し開けと言われて、言うとおりにする。そうしたら、後ろの入り口の周りを指でなぞられて。
「あ、あっ」
ぞくん、と背筋が粟立った。この後に与えられる快楽を思い出した。思わずつばを飲んで。
「…今、何を想像した?」
低く尋ねられて、びくっと震える。何でわかったんだろう。
視線を向けたら、それだけで何を言いたいかわかったらしい。口の端に笑みがのぼる。
「こんなにひくつかせたら、わかる。」
ここを、と、くる、と撫でられた。ふあ、と声を上げたら、とろり、と液体が垂らされる。ジェルだ。本当に、いつのまに準備してたんだろ。
入り口になじませるように塗りつけられて、目を閉じた。ドイツのごつい指がゆっくり、入ってくる。
「あ、あ、っは、あ…!」
「…すごいな」
ほぐすように何度か出し入れされる。ある程度したら、二本の指で、弱い箇所を攻め立て出す。
「あ、やっそんな、あ、あっああんっ!」
「気持ちいい?」
「き、もちい、あ、あっ!っん、け、どっ」
「けど?」
尋ねられて、きゅ、と秘部を締め付けてしまった。もっと、欲しい。太い指、じゃなくて、もっと。奥まで、埋め尽くして欲しくて。
「ドイツの、が、いい…」
そう言ったら、指が抜かれた。
「あ…」
「少し、待て」
準備してるドイツの後ろ姿を眺めて、思い出す。
さっきは、後ろからだった。ぐちゃぐちゃ、と何度も何度も突き上げられて、すがりつく先がなくて、体が不安定なのが余計になんか快楽を煽って。
すごく喘いでそんな自分の声にさえぞくぞくしてたのを思い出す。
「う、ん…は、あ。」
思い出してしまった快楽でついてしまった火に、体をくねらせていたら、暗くなった。
「おまえは…我慢と言う言葉を覚えろ。」
笑われて見上げる。蒼い炎。灼熱に燃える、その色に、息を飲んで。

口づけられる。それと同時に、ず、とあてがわれたそれが入ってきた。足りなかったものが満たされていく。息さえ、できなくなる。
「は…あ……!」
ゆっくり、と奥まで入れられる。
「…っ、」
低く呻いて、一番奥まで入れて動きが止まった。敏感な場所で感じすぎるほどに感じてしまう存在に、体が震えた。
「ど、いつ…」
頭を真っ白にする快楽は、好きだけど怖い。すがるものを求めて手を伸ばしたら、手を大きな背中に回される。きゅ、としがみついたら、優しいキス。ちゅ、ちゅ、と顔中に降ってくる。
は、は、と浅く息を吸い吐く。
一番奥まで入ってるこの状態が、苦しいけど、実は一番好き。すごく近くにドイツを感じるから。
でも、すぐ我慢できなくなるんだけど。
「どい、つ、動いて…っ」
悲鳴のような声を上げて腰を揺らしたら、わかった、とかすれた声。
腰を抱え込まれて、ぐ、と一番奥をぐりぐりと抉られてひあ、と声を上げる。背中に爪を立てる。手が滑って、きっと傷になってる。それを気にする暇も与えられず、弱いところを擦るように出し入れされて。
「あ、あ、あっや、あん、ああっ」
「…イタリア。」
好きだ、愛してる。そう囁かれて、目を閉じる。目尻にたまった涙が、こぼれた。
「あ、あう、…っと、もっとっ!」
お願い、もっと、ぐちゃぐちゃにして、何にも考えられないくらいにして、お願い!
ものなんか考えていられなくて、なに言ってるのかわからなくなりながらおねだりしたら、がっしりと腰をつかまれた。
「…っ!覚悟しろよっ」
一気にがつがつと腰を打ち付けられて、声が出なくなった。必死にしがみつくけれど、力の入らない指先ではうまくいかなくて、手を離したら、その手をしっかり指を絡めて掴まれた。
きゅ、と握り返して、揺さぶられる体を、止まらない快楽を、受け止める。
「ど、いつ…!あ、あ、あっ!」
「イタ、リア…っ!」
名前を呼ばれたのが、その声に込められた熱が、最後の一押しになって、びく、と吐き出したら、一番奥に叩きつけられてドイツが低く声を上げたのを聞いたのを最後に、意識が遠くなった。






「は、う…」
お風呂に入って、というか入れてもらって、再びベッドに寝かされる。
とろん、とたゆたう意識。なんだか、世界が揺れて見える。水の中で波に揺られているようだ。
ぎし、と隣に寝転ぶドイツに、ふらふらと手を伸ばす。
「どうした。」
ぱしり、と手を掴まれた。優しい声。頭を撫でられる。
「んー…なんか、すごかった…」
まだ意識が完全には戻ってこない。気持ちよさにとろんとして。
…あ。顔真っ赤。にへ、と笑って、赤い顔に手を伸ばす。…熱い頬。
「…イタリア…」
からかってるのか?からかってなんかないよう。ぺたぺたと顔に触れる。
「…こら」
「きゃー」
いたずらするな、と腕ごと抱きしめられた。くすくす笑ってドイツだーとうりうりと擦りよる。
「何かねー、今までで一番、気持ちよかったの…」
「…それはよかった。」
小さく呟かれてヴェ?と首を傾げる。
「…できるだけ、おまえが好きなことをしたつもりだ、から。」
そう言われて、やっと気づいた。そうかも、しれない。手順がいつもとちょっと違ってて。もう怖いくらいに感じちゃってて。くらくらになるくらい気持ちよくて。
見上げたら、ふい、とそらされる、視線。恥ずかしいみたい。
「…ドイツっ!」
大好き〜と抱きしめた。はにゃーと擦りよる。背中を撫でると、少し、息を飲んだのに気づいた。
「…傷、触った?」
痛かった?ごめん、と謝ると、謝らなくていい。と頭を撫でられた。
「平気だ。それに。」
他でもないおまえがつけた傷だ。触っていいのは、おまえだけだ。
そんな風に囁かれて、もうどきどきしてしまう。
「〜〜っ!好きだよ、ドイツっ!」
熱くなった顔を隠すように肩に押し付けてぐりぐりと擦りつける。
「…俺もだ。」
愛している、イタリア。なんて。その甘い甘い声に、本当にとろけてしまいそうだった。

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