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「や、あ…ん…っ」
「胸、弱いな…」
柔らかいし、と白い部分を噛むと、イタリアの体が震えた。
敏感な体に、小さく微笑む。
少しだけ体を起こして、はあ、と荒い息を吐く唇を舐め、重ねた。
目は開けたまま、眉を寄せるイタリアを見つめて。
けれど次の瞬間、イタリアの姿が、ぶれた。
「!イタリア!?」
慌てて口を離すと、ふえ、と見上げてくるイタリアの髪が、元の長さになっていた。
そのまま下まで見下ろして、ああなるほど、と呟く。
「元に戻ったのか…」
魔法が解けたらしい。なんだか残念なような、ほっとしたような気持ちを抱えて、ため息をつく。
「ヴェ?あ…ほんとだ。」
自分の体を見下ろしてイタリアも呟いて、もうちょっと女の子でも良かったのに、と小さく呟いた。
「そうか?」
「うん。…あの、ごめんね、ドイツ。」
いきなり謝られて、何だいきなり、と眉を寄せる。
「だって…胸、無くなっちゃった…」
「は?」
柔らかくないし、と自分の胸に触れるイタリアを見て、ようやっと、さっきの発言を気にしているのだと気がついた。
しゅんとしているのが可愛らしくて、笑って、体を下にずらし、胸の突起に舌を伸ばした。
「ひゃんっ」
敏感なのは、やっぱり変わらない。
舌で押しつぶしたりしながら、もう片方を爪で弾いた。途端に跳ねる体。
「や…んっ、気持ちいい…あぅっ」
さっきまでの声より少し低い、でも聞き慣れた声を聞きながら、そっと空いた手を下へ伸ばした。
久しぶりに触れた自身は、すでに固くなっていてなぞりあげると悲鳴に似た声が響いた。
「や、ダメ、そんなっ!いっぺんに、されたら、あ、あ、あ、あっ」
声を聞きながら、弱い先端に爪を立て、溢れる蜜で水音を立てながら、上下に手を動かす。
ドイツ、と呼ぶ声がうわずって、胸を甘噛みした瞬間、びくびくと達した。
体を離し、息をつくイタリアを眺める。
それから、手に絡みついた白いそれを舐めとった。
「どっドイツ!?」
驚いた声に、顔を見る。
それから、笑って、目を見たまま舐めとってやった。かああ、と赤くなっていく頬。
「うまいな。」
「そ、そんなわけな、」
「本当だ。」
愛しい人の、だからだろうな。そう言ってやると、泣きそうに目が潤んで、首に抱きつかれた。


奥まで入れて、泣き出したイタリアの涙を拭う。
「痛いか。」
首を横に振るのを確認してから、抱きしめた。
「おまえが好きだ。…それは、どんな姿でも変わらないから。」
耳元で言うと、余計に泣かせてしまったらしい。しゃくりあげる声で、どいつ、と呼ばれた。
「俺も、好き、ううん、好き、じゃなくて、そんなじゃ、足りなくて、その。」
何て言ったらいいんだろ、なんて、困り果てた顔をするから、言葉なんていらない、と言う代わりに口をふさいだ。
いらない。特別な言葉なんて。動き出せば途端に力の入る、首に絡んだ腕と、キスの合間に吐息混じりに呼ばれる名前さえあれば、十分だった。


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魔法の時間は一週間。つまり、七日目の夜、カナダは元に戻るということ。
思い切り甘やかして過ぎた一週間だったけれど、それなりに楽しかったと思う。
まあ。カナダがいるのにつまらないなんてこと、ありえないんだけれど。

交わりあって、恥ずかしがるのが可愛いカナダと1ラウンド終えたところで、ふ、とカナダの姿が変わった。
「あ。」
「あ…」
元に戻ったカナダを見て、ちら、と時計に目をやる。十二時ジャスト。御伽噺の魔法の解ける時間だ。
カナダの額にキスをして、おかえり、と囁く。
「おかえり、は、おかしくありません?」
僕ずっと一緒にいたじゃないですか。そう苦笑するカナダに、そうか?と笑って見せて、その唇をふさいだ。舌を絡めて、とろんと体の力を抜いた彼を抱き寄せ、背中を上から下につつ、と撫でる。
途端に背を反らせる彼を腕の中に閉じ込めたまま、わざとらしく太股を撫でると、首を横に振られた。逃げる舌を追わず、口を解放してやる。

「え、ちょ、フランスさん…!」
今さっきしたとこじゃないですか、という抗議にしれっとしてないよ、と答える。
「元のカナダとは、一週間も。」
「ええっ、でも、あの、」
「一週間分、甘やかしてやらないとな。」

にこにこ笑って告げてやる。…この子は、まだ、女の子の方がとか、くだらないことに囚われているみたいだし。戻った瞬間に見せた不安げな顔を思い出す。
まだ戸惑っているようなカナダに、だめか、と尋ねた。頬に触れて、じっと目を見る。
カナダは、一度だけ、首を横に振った。
甘やかして甘やかして。カナダが気持ちよくなるように、それだけを考えて、体を動かした。
自分は入れなくてもいいかとも思っていた。彼が、気持ちよくなってくれるなら。
なのに、カナダは、カナダが、欲しいって言ったから。フランスさんを感じたい、なんて。
だから、とろとろにほぐした後ろにゆっくり自身を埋め込んだ。

「あ、…あん…」
気持ちいい?と尋ねたら、そんなこと聞かないで、と首を横に振られた。
まあ、表情を見ればわかる。恍惚とした顔に、キスを落とす。
奥まで埋めて、カナダが慣れるのを待っていたら、不満げに腰を揺らされた。
背中を走る快楽にぞくりとしながら、どうした、と声をかける。

「フランスさんはっ」
僕が欲しくないんですか。どうして求めてくれないんですか。

そう言われて、思わず目を見張った。
「かなだ…」
思わず呟いて、その腰をしっかりつかんで、突き上げる
「ああっ!」
「覚悟、して、カナダ。」
俺を本気にさせたんだから、最後までつきあってもらうから。そう告げ、余計なことはもう何も考えないことにした。
痛くないように、傷つけないように。最低限それだけ気をつけて、遠慮なく突き上げる。
すぐに達してしまったカナダの、きつい締め付けに耐えて、いいところを擦るよう腰を動かす。
「や、やめ、まだ、待っ…!」
じたばたと逃げようと体をよじる彼をシーツに縫いつける。…そりゃあきついだろう。まだイっている途中なのに感じてしまうのは。でも、我慢なんてする気がなくて、できなくて、何度も何度もカナダを追い上げた。
「愛してるよ、カナダ…っ」
「あ、あっ、ふら、すさん…っ!」

解放したのは、カナダが気絶した後。体を拭きながら、明日怒るだろう彼に、どうやって機嫌をなおしてもらうかという難題に笑いながら頭を悩ませた。

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達した後で息を整えている途中に、後ろ、触ってええ?なんて言うから、聞き取れなくて、は、と聞き返した。
「やから、後ろ。」
実際に入り口をなぞられて、だ、だめに決まってんだろ!と怒鳴る。

「何で?ええやん、いつもはこっちやねんから。」
「だ、ダメなものはダメだ!」
だって、今でさえ感じすぎてるのに、その上、いつものところなんて触られたら、どうなってしまうかわからない!
「ロマーノ。」
なのに、呼ばれたら、あかん?なんて耳元で囁かれたらもうダメで、つつ、と入り口を撫でられるのにさえ体が跳ねて、好きにしろ馬鹿!と怒鳴った。

くちゅ、と指が入ってくるのが、いつもどおりなはずなのに、なんだかとてもいけないことをしている気分になって、強く目を閉じた。
と、そのとき、ふ、と体を風が通りすぎた。
「ああ!」
「な、なんだ?」
いきなり声を上げたスペインに目を開ける。
「…たくもーえーとこやったのに…。」
時間切れやて。と言われても、わからなくて、混乱しながら自分の体を見る。
と、さっきまでの女の子の体はそこにはなくて、見慣れた男の体。

「…戻った、のか…。」
「みたいやね。…もー…まだまだいろいろしようと思っとったのに。」
いろいろってなんだいろいろって!
そう怒鳴ろうとした矢先に、まだ入れたままだった指を動かされた。
ひあ、と声を上げてしまう。なのに、スペインは、遠慮なしに中をかきまわして。
「ま、やることは変わらへんしいいか。」
「や、すぺ、やめ…っ!」
じたばたすると、好きにしろって言うた。と言い返された。ああもう変なこと言うんじゃなかった!
まだ混乱しているのにいいところをこねくりまわされて、前に触れられても無いのにイってしまった。

「ロマーノ。愛してる。大好きやで。」
何度も囁かれる言葉。スペインのもので何度も絶頂に連れて行かれる体。
感じすぎるのが怖くて、ひ、としゃくりをあげて泣く。

「泣かんといて?」
「な、泣かしてるの、誰だ、ちくしょーっ」
「俺やな。ごめん。」
でもあかん。もうちょい付き合って。そういわれて、ずん、と奥を突かれた。否応なしに高まっていく快楽に、嫌だと首を振る。
なのに、スペインはやめてくれない。

「愛してるから。やから、許して。俺のやって確かめさせて。この体でも、女の子でも、どんなんでも、ロマーノは俺のやって。」

な、ロマーノ。大好き。何度も囁かれて、首元に、胸に、腕に、吸い付かれる。
もう何も考えられなくなって、一番大きい快楽の波にさらわれたとき、意識が、かすんで、遠くなった。

翌朝。
服着ても隠れないくらいにつけられたキスマークと何度も何度も求められたことによって動けなくなった腰が原因で、ロマーノが一日口を聞いてくれなくなった、というのは、明らかにスペインの責任だった。

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