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すぺいん、そう甘えるように呼ばれて、ため息をついた。
呆れたとかそんなんじゃなくて、もう。感極まって。

首に絡むように伸ばされた手は、離さないと言わんばかりで、そのうっとりととろけた表情は、長く一緒にいるけれど、もう数えるほどしか見たことないくらい幸せそう!少し離れようとするだけでいやいや、としがみつかれた。行かないで、寂しいから。甘く言われる言葉。

…ロマーノが酔っぱらってるだけだとわかっていても、こんな風に素直に甘えられてうれしくないわけがない!

「はいはい。離れへんよ〜。…でも体勢変えてええ?」
ベッドに下ろした彼に、首もとにすがりつかれて引きずられて倒れ込んだままだから、ロマーノを押しつぶしそうだ。
こくん、とうなずかれて、緩められた腕を引き寄せ、体勢を入れ替える。彼の体が、俺の上に乗る。…重くなくはないけれど、ロマーノにつぶされるほど弱くはないつもりだ。
「スペイン〜…」
「どないしたん?ロマーノ」
擦りよってくる彼に優しく尋ねると、ちゅー、と言われた。ああもうかわえええ!すぐにちゅ、とキスを唇にしかける。

「ん…もっと、」
「もっと?」
「深いのがいい…」
顔をのぞき込んでくる瞳があまりに綺麗で、思わず唾を飲んでから、その頭を引き寄せた。
唇を合わせ、緩く開いたそこに、舌を這わせる。…甘い。アルコールの味も感じるけれど気になんてならない。口内をなめ尽くすように音を立てて味わい、積極的に伸びてくる舌を絡め取って、吸い上げる。
体にのしかかる体重が重くなった。…感じ入りすぎて、自分の体も支えられないらしい。
「ふ、うん、ん…」
甘く漏れる声を聞きながら、ゆっくりと唇を離す。
「あ…」
惜しむような声。…かわええ。
「ロマーノ。…しても、ええの?」
一応お伺いを立てると、胸に顔をすり付けてきた。
「…して…スペインと気持ちよくなりたい…」
…絶句して、もう何も言えなくなった。


綺麗な肌に指を這わせる。はあ、と吐息が耳にかかった。
「ロマーノ、体起こして?」
上に崩れ落ちるような体勢になってしまっている彼に声をかける。
「…ん、ちから、はいらない…」
少し愛撫しただけで、これだ。感じやすいのは知っている。…だけれど、いつものロマーノなら、それを認めるのを嫌がって、平気だって体を起こそうとがんばるのに。
スペインの指が気持ちいいから、なんて耳元でささやかれてもうやばいんですけど!!
くらくらしながら、その頬にキスをする。抱き寄せて、シーツに腕をついて体を起こせば、自然と俺の上に座ったロマーノが、柔らかい髪を擦り寄せてきて。
「す、ぺいん…」
あかん。ほんまにやばい。

いてもたってもいられなくなって、着たままのシャツのボタンを外す。現れる肌に、前に付けた痕が、薄く残っているのにさえ興奮する。噛みつくように、その痕を濃く付け直す。そんな刺激にも感じてしまうのか、ふあん、と甘ったるい声を上げた。
シャツを脱がせ、そのきれいな肌に指を這わせる。
「…綺麗」
「そ、んなこと、ふぁっ!」
上がった声に、気を良くしながら残した痕より赤い胸の右の突起に吸い付いた。舌で弄んで、左の方を、敏感なそこに触れないよう周りを指でなぞる。
「あ、あっんっスペイン…!」
焦れったそうにくねる体に、小さく笑う。
「どないしたんロマーノ?」
「あっしゃべるな…!」
悲鳴に似た声に、感じる?と囁いて、甘噛みする。上がる嬌声が、泣きそうなものに変わった。
「っは、ひ、左も触って…!」
お願い、なんて言われたら、もうちょっと焦らす気だったけどそれも飛んだ。強めに爪を立てると、はぁん!と声が跳ね上がる。

「んぁ、や、だめ、あんっ…も、っと…!」
くしゃくしゃと髪にからみついてくる指。…もっと、なんて。よほど焦らして泣かせたときかイく直前でなにも考えられない時しか言わないくせに。ロマーノのあられもない声に煽られて、今日は長く持ちそうにない。
ズボンを下着ごと脱がせて、自身を直接触る。びくん、と震える体。
「あ、あ…」
胸を両方刺激しながら、強弱をつけて自身を握った手を動かす。途端、跳ね上がるトーン。強すぎる快楽から逃げようとじたばたする体を押さえつけ、一気に攻め立てる。


「あっあ、あ…ダメ、…んっ!」
体が強ばった。びゅく、と吐き出される熱に、全部出させようと、指を上下に動かす。
「あ、やっ…やめ…っ」
緩く、しているはずなのに、達したばかりの体にはきつすぎるらしい。ひそめられる眉。また立ち上がり始める自身を、ゆっくり撫で上げて、濡れた手をそっと後ろに回す。入り口を慣らすように撫でると、きゅ、とひくついて。

「あ、あ…」
きゅう、としがみつかれた。はやく、甘く急かされて、指を二本、中に沈める。
ぎゅうぎゅうと締め付けてくる中をかき回すように探る。傷つけないように、荒っぽくならないように。
「ふぁ、あん…あ…っ」
そんな愛撫は、もう散々開発された体にはもどかしいらしい。くねる腰と、収縮する中が、指を奥へと誘う。

「やらしー体。」
わざと耳元で囁くと、かっと肌が赤く火照った。…照れているらしい。肩に埋められた顔がいやいやと言わんばかりに左右に揺れる。
「嫌なんやったらやめるけど。」
指を抜こうとすれば、引き留めるようにきゅ、と締め付けられた。
「や…やめな…で…」
恥ずかしそうな声が聞こえて、満足。

再び指を奥を探るような動きに変える。
「あ、あ…っ!」
たどり着いたそこをゆっくりと押し上げるように刺激すると、背中に爪を立てられた。
その刺激に頬を吊り上げて、動きを緩慢なものから激しくする。弱い部分を抉るように指を動かすと、もうダメ、とすぐに切羽詰った声。
「イきそう?」
耳元で尋ねるとこくこくうなずいた。
「ええよ、イくとこ見たい。」
そう囁くと首を横に振る。
どないしたん、と囁くと、一緒がいい、と吐息に紛れた声が、告げて。

「!!」
「おねが…もう、欲しい…!」
そんなことを愛しい人に、潤んだ、もう頬に涙の流れた瞳で言われて、我慢できるやつがいるならお目にかかりたい!

ベルトをはずすのももどかしく、ズボンを脱ぎ捨てて、ぎしり、とロマーノを押し倒す。
「…ロマーノ。」
「ん、う…。」
口付けを交わして、その唇を塞ぐ。
そっちにロマーノが夢中になっている間に、反り返った自身をあてがい、ずぶずぶと腰を沈めて。


「…ん、んっんあっ!あ、すぺい…!」
「…は、ロマーノ、ちょい、きつい、…。」
中は熱くて、もっと中へ誘い込もうとうごめいている。その締め付けはかなりきつく、もう煽られまくってる今日の状態では、すぐに出してしまいそうだった。
「ん、ふ、あ…あああっ!」
ロマーノが必死でそこを緩めて、その瞬間に一気に奥まで押し込む。
「…はー…。」
やばい。もう、耐えられない。もう本当にもたない。温かい熱と、柔らかすぎる肉の感触に、達する寸前で。
「…ろま、の。」
「スペイン…。」
ゆっくり、と腰を動かしだす。右手を伸ばして、立ち上がったロマーノのそれに伸ばせば、やだ、ダメ、と声が上擦って。
もう限界が近いのはこっちも同じだと、がつがつと中をむさぼって。
「あっ、あ!や、はあ、ああ、あっ、ーっ!!!」
「っく…っ!!」
びゅく、と手にかかる白濁。ほぼ同時に、一番奥に叩きつけて。

「…は、あ…。」
息を吐いて、体の力を抜く。…あー…洗ってあげないとあかんなあ。そう考えて、ゆっくりと腰を引く。
「…、ま、って。」
「っ!」
ぐちゅり、と音をたてて中を締め付けられた。直接的すぎる刺激に、吐き出したばかりのそれが、反応して。
「…ロマーノ?」
「…もっと。」
掠れた声がそう告げる。
もっと、もっと。二人が一緒になれるくらい。ちょうだい。注いで。…スペインが欲しい。
そんなことを言われて、我慢なんか本当にできるわけもなく!
「…覚悟、しいや。」
今日は離してやれない、とそう囁いたら、ロマーノはうれしそうに微笑んだ。




「スペインのど変態!色情魔!!」
…ひどいわーと困ったように笑う。
「酔った相手犯すとか最低だぞおまえ!!」
翌朝。昨日の可愛かったロマーノはどこへやら。二日酔いで頭は痛いわ何度もやったせいで腰は立たないわ、で、超不機嫌になっていて。
「やってロマーノがあんまりにかわええから〜…。」
「ふっざけ…っ!!!」
自分で出した大声に、頭をやられたらしく、顔をしかめてばったりと倒れこむ。あーもう…。
「とりあえず今日は寝とき。俺が世話したるから…」
「…あたりまえだちくしょう…。」
可愛くない口だ。そこから漏れるのは馬鹿だのちくしょーだのこのやろうだの、本当に可愛くない言葉ばかり。
…けれど。
「……昨日のロマよりこっちの方がかわええって思ってる時点で、末期なんやろうなあ…。」
「?何だよ?」
何にもあらへんよ、と返して、その可愛くない唇に口付けを落とした。


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ミツヤ様からのリクエストで、「ロマがデレ全開で西に甘える」でした

こ、こんな感じでしょうか…?デレロマが伊になりそうでした…

こんな感じですが、少しでも気に入っていただけたらうれしいです。
ありがとうございました!
















































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がちゃん、とドアを開いて、見回す。
「はい見っけー。」
「うわ!」
物陰に隠れていたロマーノを肩に担ぎ上げる。と、わたわたと暴れ出した。しっかりと押さえ込む。
「この家の中のかくれんぼで俺に勝てると思ったん?」
「う、うるせーちくしょ、離せ!」
「いやー。そもそも何で逃げるん?」
「お、まえが変なことしようとするから!」
「してもええ?って聞いただけやん。嫌やったらせえへんて」
「…ほ、ほんと、か?」
「それよりこれ以上焦らしたら何するかわからへんで?」
ベッドまで行ってその気にさせといて逃げるんやから…なぁ?
低めに言うと、ぴたり、と動きが止まる。
わかりやすい反応に小さく笑った。


ベッドに戻って、ロマーノの細いからだを押し倒す。
「っ!」
びくりと縮こまる体。…怯えさせてしまっただろうか。
「ロマーノ、俺とするの嫌…?」
頬を撫でて尋ねる。するとかあ、と顔が赤くなって、視線が逸らされた。
「ロマーノ?」
口が開いたり閉じたり。何度か繰り返されるそれを待つ。ああは言ったけど、無理強いしたいわけじゃないから。ん?とやさしく頭を撫で、待つ。
「……馬鹿」
「えー…」
何でいきなり馬鹿とか言われんのー…?
「…、嫌、じゃ、ねーよ…むしろ、す…すき…ああもうこんなこと言わせんなこのやろ!」
「痛いって!もー…すぐ手出すんやから…」

ぽかぽか叩いてくる両手を捕まえて、片手で頭の上で拘束する。
ため息をついて名前を呼ぼうと顔をのぞき込んで。
真っ赤に染まった顔に潤んだ瞳。ぞくりとするような色に思わず、息を飲んで。誘い込まれるように唇を塞いだ。



「あ、も、あ、あ…っ!」
貫いてその体を、シーツに縫い止める。
短く息を吐くと、スペイ、と舌足らずに呼ばれた。
涙で潤んだ瞳。熱に浮かされた色がとても綺麗で。
額をつける。触れたそこから、伝わる熱。
「ロマーノ、」
「あ、ふ…」
身じろぎするとそれだけでも快楽に変わってしまうらしい。寄せられる眉。大丈夫か?尋ねると大丈夫じゃ、ねーよこのやろ、と苦しそうに言われた。
「痛い?」
「…っも、おかし、くなりそ…っ!」
「それくらい、気持ちいい?」
聞くとにらみつけられた。
同時にぎちりと締め付けられて、思わず息を詰める。
「は…スペイン、も…!」
「ん、俺も限界…っ」
緩く揺らしただけでも、甘い声が上がった。締め付けられて、小さく息を吐いて耐える。
するり、と足を撫でて、大きく開いて手で押さえる。
「あ、や、」
ぐちりと突き上げれば、ひあ、と声が上がった。
逃げる腰を引き戻して、奥まで突き上げる。
体重をかけて繰り返せば、ロマーノはいやいやと首を横に振って。
「あ、や、やぁ…っ!」
「っ」
「スペイン、も、あ、変に、な…あっ!」
甘ったるく自分の名前を呼ばれたらもうだめで、華奢な体を抱きしめて、その快楽をただただ追った。


「はー…」
ロマーノに腕枕してため息をつくと何だよ、と言われた。
すっかり疲れ果てて動けないはずなのに、口だけは元気だ。
「やー、幸せやなあって。」
顔にかかっていた髪をどけて、ついでに額にキスしたら、睨まれた。
「…俺は大変なんだからな、今も腰痛いし」
ごめんって。謝りながら、けど、と続ける。
「でも好きなんやろ?俺とするの。」
「!」

あ。顔真っ赤。
と思っていたらううううるせーぞちくしょーが!とべしべしはたかれた。
「痛い痛い!やってロマーノが言うたんやんかぁ!」
「うるせー!」
「もー!」
べしべしと指一本動かせないと行った割には元気に暴れまわる手を捕まえて、ロマーノを抱きしめて動きを封じた。
「…スペインの馬鹿野郎」
もう、ほんまに元気な口!
そんなに元気なんやったらもう一回戦つきあってもらおうかなと思いついて、バレないように笑って唇を重ねた。

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かに玉様からのリクエストで「逃げるロマと追う親分→捕獲」でした

ぎゅ、とえろい感じを詰め込んでみました。伝わるといいなと思います。

こんな感じですが少しでも気に入っていただけたらうれしいです
ありがとうございました!