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がちゃり、とドアを開けると、そこで待っているはずの愛しい恋人の姿がなかった。

「は?」
視線を巡らせると、布団がこんもりと山になっている。
よかったー…帰ったのかと思った。ほ、とため息をついて近づく。
ぎし、と床が音を立てた途端、びく、とふるえる布団の山。

…怖い、か。そりゃ。
頭をかいて、ベッドに腰掛ける。
また、震えた。ロマーノ。呼びかけるが返事はなし。

「怖い?」
聞くと、少し、と小さな声。
「…俺も怖い。」
「嘘だ。」
即答に苦笑しながらほんまやって、と笑う。
「怖いで?がっつきすぎてロマーノに嫌われへんかなあとか。」
「な」
「ほんまやで?」
ほんまに怖いねんから。そう囁いて、布団ごと抱きしめる。

「…は、じめて、なんだからなっ」
もぞ、と顔が出てきた。真っ赤な顔。うん。とうなずく。わかっている。
「あ、あと、」
「ん?」
「き、らいになんてならない、ぞ、ちくしょー…」
視線そらしてそんなかわいいこと言うから。

我慢できずにがば、と抱きしめて、真っ赤な唇にキスをした。



「ふあ、あ!」
やばい、と思った。
本当に。

「我慢が効かなくなりそうや…」
「ふ、え?」
潤んだ瞳で見上げられて、唇にキス。
それだけで、幸せそうに微笑む彼が、愛しくてたまらない。
初めてなんだからとセーブしているものの、気を抜くとめちゃくちゃにしてしまいそうだ。

「ほんまにもー…」
ロマーノの前でこそ、大人らしくいたいと願うのに、彼の前ではつい子供のようになってしまう。
「魔性やで、おまえは…」
「…何言って…?」
首を傾げたロマーノに、小さく笑って、体をずらした。首元にキスを落とす。んう、と体を揺らす彼が、もう本当にエロくてくらくらする。
きれいな子だと知っていたつもりではあった。だけど、それは健康的な感じで、まさか。
こんな風に乱れてくれるとは、思いもしなかった。

「ロマーノ。」
舌を薄い胸に這わせる。突起をとらえると、髪を引っ張られた。やだっと声。
「気持ちええ?」
「ばっ…か!」
一瞬で真っ赤に染まったロマーノにかわええ。と呟いて、それでも舌はそこから離さずにわざと音を立てて舐めあげる。
「や、やああっ!」

…やばい。本当に。
白い肌は触り心地抜群の上に、感度はこっちが驚くくらいに敏感。
涙のたまった瞳でスペイン、なんて甘ったるい声で呼ばれたらもう最強だ。敵うわけがない。
なけなしの理性でなんとかがんばってはいるが、もう崩壊寸前。
それでも、痛みなんか感じないように、怖くならないように、愛撫をくりかえす。
…まあ、ただ単にエロいロマーノをもうちょい見ていたいというのも、あるんだけど。

「ロマーノ。」
呼んで、太股をなで上げる。
「…っ!」
「触ってええ?」
わざとらしく尻から太股を撫で回すと、彼はふるふると震えて。
「そ、んなの、」
「ええ?」

強く聞くと、好きにしろ馬鹿っと消え入りそうな声。
そんなこと言って、ほんとに俺の好きなようにしたら絶対泣くくせに〜…
まあ、泣かせるのはまた今度の楽しみにして、じゃあ触るな。と声をかけて、ジェルを手に出して、秘部に指をゆっくり入れる。

「あ…う…」
眉を寄せる彼に、痛い?と尋ねる。
「いた…くはない…」
けど、…変…そう呟いて、眉を寄せる彼に、大丈夫やから、とそう囁いて、ぐにぐにと指で探る。
気持ちよくはなさそうな表情を見ながら、指を動かして探せば、…びくん、と反応。
「あっ!?」
「ここ?」
「あ、や、やだ、やめ…っ!」
嫌だと言いながらしがみついてくるロマーノを抱き寄せて、反応したところを強弱をつけて刺激する。
「あ、あ!や、やだって、すぺい…!」
「すごいエロい顔、してる。」
「や、ああ!」
震える体をする、と撫でて、前に手を回す。すると、わかったのか、や!と手をつかまれた。

泣きそうな顔で見上げてきて、ふるふると首を横に振る。
あー、やばい。その顔、やばい。
思わず生唾を飲み込んで、それでも笑顔を取り繕って、大丈夫やから。とできるかぎり優しい声を出す。
「け、けど、俺、何か、へ、変に、なりそ、で…っ!」
不安で震える声が、もろく築きあげていた何かを、壊す音がした、気がした。

ぐ、と体を起こして、ずらす。
「え、スペイン…?」
ロマーノの腰の辺りに顔が来るまでずらして、そのまま、目の前の自身を、口に含んだ。

「〜〜〜っ!!」
舌で舐りながら、秘部に入れたままの指をえぐるように動かす。
「や、やああっ!ひっ、あ、あっ、あああっ!」
じたばたと逃げようとする体をがっちりと固定して、さらに刺激してやればすぐにロマーノは達してしまった。口の中に広がる苦いそれを、ごくん、と飲み干す。
無言で口元を拭って、ぐい、と彼の足を開く。

「え、ちょ、スペインっ待って…!」
「ごめん、ロマーノ。」
小さく謝って、自身をあてがうと、えっえっ!とあわてた声。
けれど、止められるはずもなくて、腰を押し入れる。
「あっあ、や!」
「…くっ」
一番奥まで入れ込んで、はあ、と息を吐いて、閉じていた目を開く。
涙を浮かべた彼の瞳がとても綺麗で。

「待ってって言ったのに…!」
「ごめんな」
ちゅ、とキスをして、頬をなでる。
痛い?と尋ねると首を横にふるふる。
「…す、」
「ん?」
「スペイン、は…?」
見上げられて、両手で頬を包み込む。
琥珀の瞳を、まっすぐに見つめる。
「すっごい気持ちいい。」
素直に言ったらかああ、とロマーノは真っ赤になった。そしてきつく締め付けられて、低く声を上げてしまう。

「ろま、ちょ、ゆる、めて…」
「そ、んなこと言われても…っあっ」
ぐずり、と腰を揺らして、ゆるゆると奥を突く。
「あ、んっ」
「あかん、ロマ、ごめんっ」
「や、あ、あああっ!」
直接的な刺激の上にそんな声出されたらもうだめで。
首を横に振るロマーノの唇をふさいで、腰を本気で動かし出す。

キスでふさいだ唇からはひっきりなしに嬌声がもれて。
最初は押し返すように胸に押し当てられていた手も、次第にしがみつくように背中に回されて。
唇を離して、気持ちいい?と尋ねると
「き、もちい…っあっ!」
甘ったるい声で素直にそう言われてしまって、余計にストッパーが効かなくなってしまったのは、言うまでもない。

ベッドの上にこんもりと布団の山。
「すいませんでした…!」

ベッドの下で土下座する。
当たり前だがやりすぎた。おかげでロマーノはまったく布団から出てこない。
これはやばい。マジで。

へたすると、嫌いだとか言われるんじゃないかという不安に駆られて必死に謝る。

「ほんまにごめん!」
「…スペインの馬鹿野郎」
おっしゃるとおり。ほんまに反省してます、と深く頭を下げる。

「やから、嫌いにならんといて!」
「……スペインの馬鹿野郎」
あーもう何回でも言ってください!

「俺待ってって言ったのに。」
「はい。」
「やだって言ったのに」
「はい。」
「…嫌いになんてならないって言ったぞ、ちくしょー…」
「はい。………へ?」

今なんて?と顔を上げると、布団の端から真っ赤な顔がのぞいていた。
「ロマーノ?」
「…馬鹿スペイン…」
でも、好き、なんて唇が動いたのがわかって、ロマーノ!と叫んで抱きついた。

「俺も大好き!」
「…ん。」



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「西ロマ初体験」というリクエストでした〜ぜんぜん初々しくない…

こんなに好きなのに嫌いになんてなれるわけがない、というはなしにするつもりだったんですがあれ…親分嫌われてもおかしくない…?

こ、こんなんですが気に入っていただけるとうれしいです

ありがとうございました!










































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いきなりロマーノが人の顔見て笑い出すから、どないしたん?と首を傾げる。
「いや…何でおまえと出会えたのかなって。」
……はい?
「今じゃもうおまえがいない生活なんか考えられないもんなぁ…一緒にいるだけで幸せだし。もう好きで仕方ないんだけど」
なあ、スペイン。聞いてるか?
そう甘い甘い声で言われて、瞬く。
視界の端に、酒の瓶が映った。
…ほとんど空の。
「えっ、ロマーノこれ一人で飲んだ!?」
楽しげにうなずかれて、うあちゃーと額に手をあてる。ちょっと目を離した隙にこの子は…。
完全に酔っ払いの上機嫌さで笑うロマーノに、でもまあ、機嫌悪くなるよりはいいか、と苦笑。
じい、と見つめられる。茶色の瞳に、何?と首を傾げると、おまえいい男だな。と褒められた。
「え。」
「太陽みたいだ。」
うっとりした口調で、頬を撫でられた。
思わず、息を飲む。
「なあ。何で俺なんかとつきあおうって思ったんだ?」
おまえここまでいいやつなのに。…選び放題だろ?そう、ちょっとよろけながら机を回って歩いてくるから、はらはらしながら見ていたら、つまずくから大慌てで手を伸ばしたら、伸びてきた手に、両肩を押された。
「うお!?」
ばふ、とベッドに倒れ込む。
「ひっかかった〜」
楽しげに見下ろしてくるロマーノに、やれやれ、と思って。
「…なあ、なんで?」
何で俺と?そう囁かれて、そんなん決まってるやん、と呟く。
それから、よいしょ、と体を入れ替える。
ぎしり、と押し倒して、ちょっとびっくりした顔をしたロマーノの額にキスを落とす。
「ロマーノやから、好きなんやで。」
「…っ!!」
かあ、と頬が赤くなった。トマトみたい。かわええ。ちゅ、と唇にキスを落とすと、唇を舐められた。
「何〜?誘ってる?」
「そんなんじゃ、」
「なくても襲うけどな?」
そうにや、と笑って何か言おうとして開いた唇に舌を潜り込ませた。

思う存分味わって、離したら、上気した肌。甘いロマーノのにおいとは違う、においに気づいて笑う。
「はは、お酒臭い〜」
「嫌ならやめりゃいいだろ」
「嫌なんて言うてないやんか。」

ほんまにもー口が減らへんのやから…そういうところでは、育て方間違ったかなあとも思うのだけれど別に。のびのび育ってくれたからそれでいいよなあと思うし。
「ロマーノ、大好きやで?」

憎まれ口たたいても、何度喧嘩になっても、ぼろぼろになっても手放さなかった愛しい子分。それがいつのまにか恋愛感情に変わっていて、ロマーノも自分のことを好きになってくれていて。
ロマーノは俺なんかって言うけど、それはこっちのセリフだ。
どうして彼みたいな綺麗(で女好き)な子が、俺をえらんでくれたんだろう?

いきなり、ぎりり、と髪を引っ張られた
「いたた痛い!」
「〜っ!!」
涙目で見上げたら、顔が真っ赤だ。本当にトマト色。
「どないしたん?」
「さ、さっきから思ってることだだもれなんだよちくしょーっ…!!」
すっかりいつもの調子のロマーノに言われてあらま。と思う。…ああ。ということはつまり。
「照れてるん?」
「〜っ!」
図星らしい。かわええ、と抱きしめたら、おずおずと背中に回される手さえ、愛しい。
「…から。」
「ん?」
小声で呟いたのが聞き取れなくて何?と尋ねると、さっきよりは大きいけれど、小さな小さな声。

「…俺、だって…おまえ、だから、好き、なんだから、な…。」

…そんな可愛いセリフを世界で一番好きな人に言われて、我慢できるほど大人じゃなかった。


「あ、あーっ!」
「…っ!」
無茶はさせたくない。そういつも思いながら抱くのに、どうしても、今日は我慢できなかった。

酒のせいか、素直なロマーノのせいだ。すがりつかれて、もう、欲しい、なんて囁かれたら、そりゃあもう。いただかないともったいないというか無理というか。
でもやっぱり、いつもより早かったせいか、ぎちぎちで、ロマーノも苦しそうに眉をひそめていて。

「ロマーノ、大丈夫?」
聞いたらうなずくものの、やはり苦しそうだ。無理強いをしたいわけじゃ、ない。
ゆっくりと腰を引きかけて、や、とすがりつかれた。
「ロマーノ?」
「…ぬ、かないで…。」
大丈夫だから。もっと。
「……っ!!」
潤んだ瞳で見上げられて、達してしまいそうなのを必死で堪えた。
「っ、ほんまにもー、おまえは…。」
「…?」
何もわかっていなさそうな瞳に、苦笑。
それから、キスを落とした。額に、頬に、鼻に、唇に。
髪をなで、背中を通って腰を撫でながらそうすれば、ふ、うん、と甘い吐息が漏れる。

「あ、すぺい、」
「苦しい?」

首が横に振られる。眉は寄せられたままだが、どこかうっとりとした表情に、感じているのだと確信して笑う。

もっと、と言われたって、それがいくら愛しい愛しいロマーノのお願いで、もうこっちだって切羽詰っていたとしても(実際そうだけど)、彼も気持ちよくなってくれないとだめだ。
そう小さく笑って、ちゅ、と額にキスをして、胸の突起に触れる。

「あ!やん、は…っ」
「っ!」
ぎちり、と締め付けられて息を詰める。
「や、スペイン、もう…っ」
ちょうだい、ってばぁ。甘えた口調で言われて、ぞくぞくしてしまった。
腰をゆっくり抜いて、奥までずん、と突き上げる。
ああん!と高い声があがる。
「ロマーノ、」
声を上げ続ける唇に噛みついて、容赦なく求める。むさぼり尽くすように奪えば、ぽろ、と涙がこぼれて。
その姿にぞくんとしてしまって、余計歯止めが利かなくなった。


ぱちり、と目を覚ました。
目の前にはすかーと幸せそうに寝息を立てるスペインの姿。
…ちくしょー。小さく呟く。結局敵わなかった。
ちょっとどきどきさせてやろうと、口説き落としてやろうと思ったのに、結局こっちが口説き落とされた。…だってあんな、まっすぐな言葉反則だ。
ちくしょー。小さく呟く。いつも敵わない。それが悔しい。
けれど、心地よいと感じているのも事実で。
「ロマーノ〜…」
夢の中のくせに俺の名前を呼んで幸せそうにしまりのない笑顔を浮かべる年上の恋人に、そっと抱きついて、目を閉じた。


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頼花様からのリクエストで「女の子をナンパする調子で親分口説きにかかるロマ、でも仕返しされる」でした

あ、あんまりナンパしてないんですが…こんな感じでいかがでしょうか?

こんなですが、少しでも気に入っていただけたらうれしいです。
リクエストありがとうございました!