風呂から上がって、水を飲んでから部屋に戻る。途中、そっと子供達の部屋をのぞくと、すう、と寝息をたてていた。…当たり前か。もう夜も遅い。俺が帰ってきたのがすでに日付が変わるぎりぎりだったのだから。 マリアの布団をきちんとかけなおして、小さく苦笑。ガブリエルはちゃんと布団をかぶって寝るのだが… 「こういうところまで、イタリアそっくりだな。」 呟いて、ドアを閉めた。 部屋へ戻ると、珍しく、イタリアが眉をしかめて肩をまわしていた。 「どうした?」 声をかけると、なんか肩が重くって、と返事。 重い?と首をかしげ、ベッドに腰掛けた彼女の後ろに回って肩に触れる。…たしかに、少し硬い。 「何か肩がこるようなことしたのか?」 「んー…あ!仕事したよ!3時間くらい。」 「………そうか。」 それは俺の今日の仕事時間のだいたい4分の1くらいなんだがな。 …まあ、それでもこいつにしては長い方、だが。 痛かったら言え、と前置きして、肩を揉み解すようにマッサージする。 「あー…きもちい…。」 力を入れている方なのに、返って来る言葉に、これはかなりこってたみたいだな、と腕を動かす。 「本当に、何したんだ?」 肩こりなんて、イタリアにはなんだかイメージが合わない。 「わかんない……あ、そういえば。」 「ん?」 「日本が言ってた。胸がおっきいと肩こるんだって、っいたたたたどいつ痛い!」 とんでもないことを言い出すから思わず力を込めてしまって、悪い、と言いながら緩める。 「うー…やっぱドイツ力強い…。」 「だから悪かったって…。」 あまりに痛がるから、力を込めないよう細心の注意をはらって、その肩をほぐす。 「あ、思い出した。ドイツー。ずっと聞きたかったんだけど。」 「何だ?」 「前にフランス兄ちゃんがさ、俺の胸がおっきいのはドイツのせいだって言ってたんだけど、なんで?」 ………っ!あいつは…っ!どうしてこういつもトラブルばかりを…っ! 思わず額に手を当てると、ドイツ?とイタリアが振り返った。 「ねー、何で?」 上目遣いの琥珀が、じっと俺を見る。 ざわり、と背筋をなにかが走りぬける感覚を、感じた。 「…教えてやろうか?」 いつもより低い声が出た。 「あ…。」 見上げてくるイタリアの目に、欲が、にじむ。同じ気持ちなのだと思うと、もう耐えられそうになかった。 頬に手を伸ばし、イタリア、と呼んで、もう一度同じ問いかけをして、答えを急かす。 彼女は手に擦り寄って、目を閉じ、こくん、とうなずいた。 「あ、あん、あ、あ…っ!」 愛しいイタリアの甘い声を聞きながら、柔らかく胸を揉んで突起を吸い上げる。 「も、どい、つ…!ダメ…!」 くしゃりと後頭部に回った手が、髪を乱す。 ふるふると首を横に振るのが、可愛くて仕方ない。 「そうやっておまえがかわいい反応をするから、触りたくなるんだ…。」 胸は揉むと大きくなるらしいからな。言って、柔らかいそれに指を埋めると、あ!と声が跳ね上がった。 「ど、ドイツ、もう、や、そこばっかり…!」 「まだそんなにしてないだろう?」 「そ、んなこと、ないもん、ずっと胸ばっかり…!」 泣きそうな声で訴えてくるイタリアに、ふむ。一瞬考えて。 「では、俺が堪能してないからまだ、だ。」 「そ、…っあ、も!」 ぐい、と髪を引かれた。けれど、力の入らない手で引っ張られても痛くは無い。 知っている。イタリアが触って欲しいと望んでいるもっと下が、どろどろにとろけているだろうことは。 それでも、まだ。…もう少し。 顔を赤くして目を潤ませるのを見ていたい。ドイツ、お願い、とおねだりしてくる甘い声を聞いていたい。 愛しいイタリア。俺だけに見せるその顔を、もっと。 「あ、あっん、ドイツ、の、意地悪…っ!」 俺が我慢するの、苦手なこと知ってるくせに。恨ましげな声に、笑いながら悪い。と小さく謝って。 ちゅ、と額にキスを落とせば、とろんとした瞳が見上げてくる。吸い込まれそうな琥珀。 そこに映った男の顔がひどく欲情しているのに苦笑して、つつ、と這わせて下へ手を伸ばした。 太股を撫でれば、震える体。濡れる感触に、小さく笑んで。 「気持ちよくなりたい、か?」 囁くと、素直にこくんと頷いた。仕草はあどけないのに、その体から放たれる色香は、それだけで陥落してしまいそうな威力を持っている。…ずるい奴だ。そっと思う。これ以上はまらせてどうしようというのか! 「ど、いつ?」 甘い声に呼ばれて、何も言わずに手を動かした。入り口をくるりと撫でて、ゆっくり指を埋める。 「あ、あ…」 ゆっくり抜き差しすれば、声が上擦ってくる。予想通りどろどろのそこに、指を一本増やす。問題なく、受け入れられた。 「あっ、は、ど、いつ、あ、ん…っ」 頭に回っていた手が、ずるりとすべって背中に爪を立てる。…痛い。けれど、興奮してしまう。 ぐりぐりと中を押し上げれば、声が跳ね上がって首を横に振る。弱いところを集中的に攻めれば、泣きそうに呼ばれる名前。 「イきたい?」 耳元で言って、べろりと耳たぶを舐める。びくりとすくめられる首。返事は…五分、だな。 じっと見つめていれば、少し迷ったあとに、横に振られる、首。ならば。開く唇の紡ぐだろう言葉を、頭に思い浮かべる。 「一緒がいい…」 「わかった。」 小さく笑って答える。ほら、あたった。 着ていた服を脱ぎ捨てて、彼女に覆い被さる。 キス、と囁くように言われて、うなずいて口付けた。 くちゅりと音を立てながら口の中を舐めて、その間に力の抜けた足を開く。 白い肌。柔らかい膝裏から太股までを撫で上げると、震える足。…俺がこうした、後に何をするか。知っているから。 唇を離して、とろけた瞳を見ながら足を肩にかついで、ゆっくりと自身を埋め込んでいく。 「あ…ぁ、あ…っ!」 か細く上がる声が、愛しい。 奥まで入れて、ぐるりとかき回すと背中に爪を立てて引っかかれた。これをされると風呂に入る度に痛むんだが…まあいい。それも、彼女の快楽の証。 少し抜いて、奥へ打ちつける。リズムをつけると、それに伴って上がっていく声。 「ドイ、ツ、ドイツ…っ!」 「…イタリア。」 甘く呼び合う声。瞳を閉じて、本能にまかせて求める中で、唯一すがれる、光。 「あ、あっも、ダメっドイツ…!」 「俺もだっ、」 一番奥に打ち付けたとたん、甲高い声を上げてこれ以上ないくらいにしめつけてくるイタリアに、低く声を上げて、吐き出した。 「ドイツ、」 「何だ?」 布団の隣に滑り込めば、背中に回る手。腕枕ーという要望に答えて、腕を差し出す。 「えへへ、何でもない。」 なんだか嬉しそうな笑顔に、こっちまで笑顔になってしまう。 「…そうか。なら寝ろ。」 頭を撫でて、抱き寄せる。すっぽりと腕の中に収まる体を、何より愛しく思って。 …これが幸福、ということなんだろうなと、そっと思った。 「おやすみ、ドイツ。」 「おやすみ、イタリア。」 戻る ことみ様からのリクエストで「伊の胸関係の話(大きさとか)で、裏に縺れ込む」でした らぶらぶ夫婦な感じが伝わればいいなと思います!毎日こんなんだと思います…ばかっぷる… こんなですがすこしでも気に入っていただけるとうれしいです ありがとうございました! . ドイツは、自覚がないからやっかいだ。 同じことをフランス兄ちゃんがするなら、こんなにドキドキしない。だってかっこいいだろう?お兄さんとか言ったり、なんだろう、意識的にしてるから。ふつうにしていられる。 けど、ドイツぜっっったい無自覚なんだもん! (手、手ーっ!!) 叫びたいけれどもう声が、でない。 なんだろう、うん。正しいよ?パーティー会場へのエスコートの仕方としては百点満点、だけど。 ただでさえ燕尾服姿にぽーっとなっちゃったのに、こんな風に腰に手回して歩かれたら私もう心臓壊れそう! どきどきどき。心臓の音しか聞こえない。のどがからからになってしまう。回りとかもう全然見えてない! ただ、ただ。体が彼を全身で、感じていて。 腰から背中に触れる太い腕。隣にいるがっしりとした体。ふわり、漂ってくる、嫌じゃない男の人の、匂い。 「イタリア?」 低い、名前を呼ぶ声に、かああ、と顔が熱くなる。 「どうした?顔が赤いぞ。」 「っ、へいき、ちょっと、暑いだけ」 「そうか。…中に入ったら水をもらおう。」 何とかうなずいて、ああもう私の馬鹿、と自分の過去の選択を後悔。 高めのヒールを選んで来たから、ドイツはふつうに話してるだけなんだろうけど、まるで耳元で囁かれてるみたい! ドイツが支えてくれなかったら、ここが二人きりの場所だったら、きっともう立ってられない。ふつうに歩くのがものすごく大変だ。けど。 みんな来てる社交パーティーだから、顔だけでも出してからじゃないと帰れない。 体の奥に熱が、くすぶってる、ああもうドイツのせい!二人きりだったらその太い首に抱きついてキスできるのに! 「帰りたい…」 思わず言ったら、何だ、体調でも悪いのか?と心配そうな顔! だれのせいだと思ってるの!もう! パーティー自体は嫌いじゃない。久しぶりに会う人もいるし、おいしいご飯も食べれるし。 でも。 (帰りたい…っ!) 本気で、そう思った。 別にイギリスに会ってしまったわけでもスイスに怒られたわけでもなく。 ドイツのせい、だ。 今日は変だ。ドイツ。…いやみんなが気付くくらいじゃないけど。 たとえば、接触が多い。腕とか、腰とか。するりとなでるように、支えるように。そんなふらふらしてるかなあ?私… たとえば、声が低い。指摘したら、ちょっと風邪気味なんだ、って。その声はまるで。…っ考えるのやめよ。余計我慢できなくなりそう。 顔が熱い。くらくらする。でもそれは別に、風邪引いたとかじゃなくて。 「イタリア。」 呼ぶ。低い声が。それだけで体温が、上がる。 好きな人の、甘い声で名前を呼ばれる。もうそれだけで、心臓が壊れそうなくらいどきどき、しちゃう。 でもきっと、ドイツはただ、心配してくれてるだけ、だから。 「大丈夫か?」 「へいき。」 なんとか、笑ってみせるしか、なくて。 「…無理はするなよ。」 手が触れる。いつもなら頭撫でてくれるけど、今日はパーティだから、セットしてあるの崩したらいけないと思ったのか、頬に滑らせて。 その指先が、耳にあたってびく、と震えた。…ドイツにはばれなかったみたいだけど。 その後すぐにイギリスに声かけられて、仕事の話をしに行ったドイツを目で追う。 ああ、ダメだ。ドイツに触れられるだけで、ドイツの声聞くだけでもう、ふにゃふにゃになってしまう! いつもより少しだけ、接触が多いだけ。いつもより少しだけ、囁く声が甘いだけ。それだけ、なのはわかってる、けど。 …っ!だって、えっち、してるとき、みたいなんだもん…! 優しい手つきとか、声とか。昨日だって、したそれをもう思い出してしまって、頭の中もうパニック状態、で! だから。 …帰りたい… 帰ったら、二人きり、だったら、ハグしてキスしてねえドイツして?って、言えるのに…! きゅう、と膝の上に握った手で、手のひらに爪を立てる。 痛い。…けどこれくらいしてないと、もう本当に腰が砕けてしまいそうで。 後少し、したら。アメリカが騒ぎだしたら、後は飲み会みたいになっちゃうから、自由解散、だから。そうなったら、ドイツと一緒に帰ろう。 それまで、は。まだ。うつむいて、ぎゅう、と爪で痛みを。 「…イタリア?」 低い声が聞こえて、あ。ドイツ、話終わった?と顔を上げるまえに、ぐい、と腕を引かれた。 「何をしている!?」 怒った声、にびっくりして、見上げる。でも視線は合わない。ドイツが見ているのは握られた私の手。爪の痕が赤い三日月みたいになってる。あ。血出てる?…爪切ってなかったから…。 「…や、あの、ね?」 ええと。何て、言ったらいいんだろう。 困って、でもすっごい怒ってるのは伝わってきて、どうしていいのかわからなくて。 何も言えずにいたら、つかまれた手をまた引かれた。 唇に寄せて、キスを落として。 「!ど、どい、」 それから、舌を小さく出して、つつつ、って、指先まで。 「ーーーっ!!!」 な、舐められた!?? 慌てて手を引こうとするのに、ドイツの強い力には勝てなくて、ドイツ、と呼ぼうとして、びく、と固まった。 目が、合う。蒼。綺麗で、…強い光を宿した、蒼。 それから目をそらせなくて。 ちろ、と舌で指先を舐められる。その感覚に今度こそ、本当に今度こそ、腰が砕けた。 がくん、と落ちる体を、抱きとめられる。 心配そうな誰か、の声。調子悪いみたいだ、連れて帰る。ってドイツの声。それから、体が浮いて。 抱き上げるその強い腕に、とりあえず早く、ってそれだけしか考えられなかった。 どさり。下ろされたのはホテルの、ベッドの上。 「イタリア。大丈夫か?」 聞きながら、ドイツの手がまた、手に触れる。 血が出てない方の手のひらにキス。ちゅ、ちゅ、と繰り返されてもう泣きそうになる。 我慢なんてできなくて、ベッドに寝かされた状態から手を伸ばした。 「どうした?」 「っ、欲しい、ドイツが、欲しい」 小さく言った声が意外とかすれていて、まるでもう期待しすぎて我慢できない、みたいに聞こえて(実際そうなんだけど)、いたたまれなくなって。 目を閉じると、低い声で呼ばれた。イタリア。それだけでびくりと、体が震える。 その反応に気をよくしたのか、耳を甘く噛まれて。 「かわいい。」 ああ、その声だけでとろけてしまいそう! 「ドイツ、」 「ん?」 「…キスして?」 ねだると、優しく笑んだ唇がそっと降ってきた。 「あ、ああんっ!」 入ってくるそれの大きさに体を震わせると、ドイツがくつくつと笑う声が聞こえた。 「今日は随分と敏感だな…?」 「っ、だって、」 ドイツにあんなに触られて、囁かれて、メロメロにならないほうがおかしいもん! でもそうは言えなくて黙ったら、まああれだけ焦らしたからな、って………へ? 「…ドイツ?」 呼ぶと、にやり、と人の悪そうな笑み! 「まさかドイツ、わざと…!」 腰触ってた手とか、低い声とか、指なめたのとか! 目を丸くすると、やっと気づいたのか?って! 「!どい、ん…っ…」 文句を言おうとした唇はキスで塞がれ、そのまま、腰を揺らされたら、もう何も言えなくなってしまい。 抗議の代わりに、その大きな背中に思いっきり爪を立てた。 戻る ココア様からのリクエストで、「天然?無意識な独に伊が振り回される感じ」でした 無意識、じゃないオチをつけてしまったのですが…すみません あとあんまり裏っぽくなくてすみません… こんなですが、少しでも気に入っていただけるとうれしいです ありがとうございました! |