…俺は敏感すぎる、と思うのだ。 それもこれもあいつのせいだ。だって事あるごとにドイツーって情けない声で呼ぶから。信頼しきった甘い声で、呼ぶから。だから。 …仕方がないんだ、条件反射。彼女の声が聞こえてしまうとつい、反応してしまう。どんな時でも。その能力は自他ともに認めるほど高感度で判別能力は神懸り的。 「そうなんだー、兄ちゃんたちすごーい。」 そんな声が聞こえた気がして。 振り返る。すぐに後悔。 そこには、にこにこと笑顔でフランスやスペインとしゃべるイタリアの姿。 …彼女は昔から彼らと仲がいい。とりあえず、兄ちゃん、と呼んで慕う程度には。 「そうやねん!イタちゃんやっぱわかってるわ〜」 スペインがイタリアの頭を撫で、彼女は嬉しそうに笑った。…ずきり、と心の奥が動く。 「えへへ〜」 「そのへん詳しく聞きたいなら、今日うちに泊まりに来いよ」 肩を抱くフランスにいらっとして。 「ごめんね、今日はダメなんだ。ドイツんちに泊まるから!」 「えーいっつも行ってるだろ?」 「でも今日も行くの!」 ねードイツ!そうこっちを向いて笑われて、ざわりと胸がざわめいた。 抱き上げて、イタリアの体をベッドに落とす。 「きゃうっ!…ど、ドイツ…?」 覆い被さって、その体を腕の中に閉じ込める。 「どしたの…?」 「…別に」 「別にって…」 ドイツ変だよ、と頬に触れてくる手を、甘噛みする。…痕が残る。 「ドイツ?」 「…つけていいか。」 「ふぇ?」 「痕…つけて、いいか」 尋ねて、い、いいよ、という返事に、ボタンをぷちぷちと外して、胸元に触れる。 白い肌を舐めて、指でなぞって、唇で触れて。吸いつく。 「っ、」 赤い花が散る。…けれど、一つや二つじゃ全く満足なんてできなくて、ボタンをすべてはずして脱がせながら、胸や腹にいくつもキスを落とす。 「っ、は、ん…っ」 跳ねる体を押さえつけて、何度も唇を寄せる。 「あ、っど、いつ…っあん、だ、だめ…っ!」 きわどいところにもキスマークをつける。 色の変わり目をつつ、と舌で撫でて、また白い肌を柔らかくはむ。 「っあ、や、ぁ、っ!」 やだやだ、焦らさないで、という甘い声に、突起を指でなぞって、つまむ。 「あんっ!」 跳ね上がる声を聞きながら、腰に手を回して、ズボンを下ろす。 足から抜き、それを放って、片足を撫で下ろして、足を大きく上げさせた。 膝の裏の柔らかい部分にも唇を触れて、舐めあげる。 指で胸をいじりながらすれば、ドイツぅ、と泣きそうな声。 「や、めて、そ、んなとこ、」 「痕を付けていいんだろう?」 俺のイタリア、そう囁いて、足の指にキスを落とす。逃げようと暴れる力は、弱い。 「あ、あん、んん…っ」 震える柔らかい部分。…唇で、触れる。触れていないところなんてないように。舌を這わせて、キスマークを残して。 「ど、いつ…っ」 震える、声。伸びてきた手が、きゅ、と髪を引っ張る。 「どうした?」 「も、ドイツ…っ」 がまん、できない、よ、お願い、ってばっ きゅ、と引かれて、唇を引き上げる。 「もう少し、待て。」 囁いて、彼女の体を裏返す。ひゃっと、驚いた声。背中にも唇を寄せる。白い背中にもキスマークを残していく。びくびく、と震える体。…背中が一番弱いのかもしれない。知らなかった。指でなぞるだけでもびくびくと震え出す。 「ドイツ…っも、我慢、出来ないっ」 ぱたぱたと暴れる手。焦らさないで、泣きそうな声に、そっと笑う。 「もう少し」 「あ、も、やだぁ、いじわる…っ」 「いじわる、か。」 そう言って、振り返る彼女の頬を撫でる。 「ふぇ、」 「…なら、もっと優しい男のところにいけばいいんじゃないのか?」 そう尋ねると、イタリアはきょとん、と瞬いた。…ああもう。わかってる。これは俺のわがままで、単なる独占欲、だ。イタリアは悪くない。全然、けれど。 「…ドイツ、」 「…何だ」 「嫉妬、だぁ。」 「…っ!」 改めて指摘されると恥ずかしくなってくる。顔を赤くして逸らす、と。体を捻らせたイタリアに抱きつかれた。 「俺が愛してるのはドイツだけだよ?」 ああ、その言葉だけでうれしくなってしまう俺は…単純、なんだろうな。 ドイツ、とすり寄ってくる体を抱き寄せる。 「へへへ。」 嬉しそうな笑い声に、そんな余裕、あるのか。と少しむっとする。 手を上げて、癖毛に手を伸ばせば、あ、ん、と色気のある声。 「ど、いつ…あ、あ!」 へたり、としなだれかかってくる体を受け止め、くるりと巻いたそれを何度も撫でる。 足の間に手を回して、ゆっくり、と指を入り口に這わせて、中に入れていく。 「あ、あ…も、っと、奥…っ」 どろどろにとろけた中を、わかってる、と答えて、指を増やして奥の方に埋め込む。 「ああ、あ、あ…っ!」 震えてしがみついてくるその背中を撫でる。ドイツ。甘える声を聞いて、揺れる腰に、ここだろう?と囁きながら指を動かす。 「んぁ!ダ、ダメ、あ、も、イく…っ」 体を震わせて、イった彼女を抱き留める。 は、と熱い息を吐く彼女はとても魅惑的だ。額にキスを落とすと、とろけた瞳で、うれしそうな笑顔。 「ドイツ、入れて…?」 …まったく…誘い上手、というか率直、というか。 柔らかい体を押し倒して、足を開く。自主的に開いてくるイタリアの腰を掴んで、がっつりと奥まで差し入れる。 「あ、ああ…っ」 愛しい声を上げる唇を舐める。甘い。 「ドイツ、ぅ…」 「…あまり煽るな。手加減できなくなる。」 「い、いよ?」 手加減なんてしなくていい。…なんて、ああもう! 「イタリア!」 する、と首に腕が回る。うっとり、とした笑顔。 「ドイツだけ、だよ?」 「…っ!」 思わず足を広げさせて、奥まで押し込んだ。あがる声を、唇でかき消して。 「覚悟しろよ」 「うん。」 うなずいた彼女を、深く、シーツに沈めた。 戻る 悠様からのリクエストで「西や仏と仲の良い伊に独がもやっとしてしまう」でした〜 伊が大好きな独と、独が大好きな伊が書けて楽しいです。それが伝わればいいなあと思います。 こんなですが、少しでも気に入っていただけるとうれしいです。 ありがとうございました! . 仕事が煮詰まっていらいらしていたとか。 これで十度目という大台だったとか。 彼女がまったく反省していないとか。 ほんの少しのことだ積み重なって、ぷつん、と音がした。 「イタリア。」 「ご、ごめんなさい、」 謝るから、と言われても止められない。イタリアが、悪い。 べろり、とその唇を舐める、だめだよ、ドイツ、弱い抗議の声をかき消すように、唇に口付ける。 交わる舌。逃げようとする体も舌も押さえ込んで堪能する。 そうすれば、弱まる抵抗。ゆっくりと舌を離す。 「せめてベッド…」 「だめだ。」 がっちり体を押さえ込み、腰を抱えてシンクに座らせる。 キッチンでするのにかなり、抵抗があるらしい。うろうろと視線をうろつかせる。 が。 「ここでする。」 これはお仕置き、だからな。にっこりと笑ってみせる。困った笑顔。 …本気で嫌でやめてほしい、訳じゃないことくらい、見ればわかる。だから。 片手で服を脱がす。協力はするところを見ると、したい、のはしたいらしい。 左手に持ったそれを、イタリアに見せると、ふにゃん、と眉が下がった。 「…ドイツー…」 「おまえが悪い。」 わかってるけど。ふにゃふにゃ。唇をもぞもぞさせる彼女に、微笑んでみせる。 「ほら。」 「!うー…」 とろりと、ボールに入ったクリームを彼女の体に落とす。白が、柔らかく綺麗な肌に似合うと思う。体の上にのばして、指についた分を舐めとる。 「なあ、イタリア?」 何度目だと思う?これで。今日一日だけで。 「十回、だ。」 つまみ食いが、だ。だっておいしいんだもん、と大輪の笑顔で言われたら、言い返せない自分も悪いのかもしれないけれど。 それにしたって今日は。 「、食べ物粗末にしたら、」 「大丈夫だ。全部舐める。」 わざと舌を出して見せると、彼女が唾を飲んで、頬を赤く染めた。 「あ、あ…!」 胸に吸い付いて、その感触と甘さを堪能する。 いつも甘く感じるけれど、今日は本当に、甘い。まだ残るホイップを、べろりと舐め上げ、ついでにちゅ、とキスマークを残した。 「は、あ…」 震えるイタリアはすでに限界、のようだ。大量にあったクリームもほとんど姿を消して。 甘い甘い、愛しい体だけが残ったわけで。 「ドイツ、」 呼ばれて、口付ける。舌を絡ませながら、指をゆっくり曲げると、ふうん、と吐息がもれた。 「クリームなんかなくても、中はどろどろだな?」 笑って囁くと綺麗な肌がピンク通り越して赤く染まる。 かわいい。呟いて、胸にかぷ、と噛み付いた。びくんと震える体。きゅう、と締め付けられる、中。 感度もその初々しいのに艶かしい表情もこの上なく俺好み、というかイタリアだったらどんなでも俺好みなんだが。 とろり。ボールに残っていた最後の一掬いを、イタリアの口元に持っていく。 名前を呼べば、熱に浮かされた琥珀が見える。クリームを塗り付けるように唇をなぞる。 そうすると、指に絡む、舌。口にくわえてちゅ、と吸って、指の根元についた白を、舐めとって。くちゅくちゅと音を立てて、目を閉じてうっとりとそれを繰り返す彼女に、思わず唾を飲んだ。 彼女のキスは気持ちがいい。いつだって。 「イタリア。」 もう一度、呼ぶ。また開く、目。のぞきこんで、指を引き抜く。銀糸が、伝った。途切れるそれを、追いかけるように口づけて。 腰を撫でる。いいか?欲を隠せない声で、それでも独りよがりにしたくないから、尋ねる。こくん。小さくうなずくのが、見える。その琥珀が、自分と同じくらい欲をはらんでいるのに、少しほっとした。 額にキスをして、手早く準備をして。 腰を引き寄せる。しなやかで柔らかい体を一撫ですれば、たまらないと甘い吐息。 まだ残っていた白いそれをべろりと舐めとると、も、ドイツ…!と上擦った声が聞こえた。きゅう、と頭に回った手に、髪を引かれる。もういいから、はやく、と急かすように。 小さく笑って、気合いを入れ直し、彼女の腰を抱えてゆっくり腰を進める。 もっていかれそうだ。思ってため息。 奥まで、慣らすように揺らしながら押し進めると、きゅ、とまた髪を引かれた。 顔を覗き込むと、閉じる瞳。すぐに要望に気づいて、唇を、重ねて、離す。これだけでどうしてこんなに気持ちいいんだろう? 「とけ、そう…」 甘い声で彼女が囁く。それはこっちのセリフ、だ。苦笑して、動いていいか?と尋ねる。 返事は、さっきより濃厚なキスで。 覚悟しろよ、と低く唸った。 イタリアに言われてパンケーキを作る。 中はふわふわで外は少しかりっとしているのが、彼女の好み、だ。 「…ドイツのばか」 ううむ。まだお姫様はご機嫌ななめ、らしい。…けれど、腰痛むくせにドイツのそばがいい。とソファに座ってるところを考えれば、嫌われてはないのか。 「悪かった。…イタリア。もうできるぞ?」 「わあい!」 ぱあっと表情を緩ませた彼女に、苦笑して、何かける?と尋ねる。 この間2人で作ったジャムも、カナダにもらったメイプルシロップもある。バターももちろん。果物もそこそこ。 考えながら、イタリアからの返事がないことにふと気づいた。 「イタリア?」 その頬は赤い。 「…ホイップクリーム、以外で…」 ぼそ、と恥ずかしげに言われた言葉。 …どうやら、さっきまでのことを思い出してしまったらしい。かわいい。 ばれないようにこっそり笑って、じゃあチョコホイップはありか、と聞いたら、ドイツの意地悪!と真っ赤になって怒鳴られた。 戻る ことり様からのリクエストで「ちょっと変態プレイな独伊」でした こんなでいかがでしょう? どんなプレイでも、伊ならきっと付いてこれる気がします。 こんなですが、少しでも気に入っていただけるとうれしいです ありがとうございました! |