ぐい、と後ろに引っ張られて、目をぱちぱちした。 体勢は崩さなかった。だって、崩しかけたところで抱きしめられたから。 「ど…ドイツ…?」 どうしたの。そう尋ねるが、返事はない。 代わりに、大きな手が足を撫で上げて。 スカートの中に入っていく手に、あわあわと止める。 「ドイツ!」 「…欲しい。」 だめか。なんて、そんな熱い声で言わないで。 だって、昨日までドイツ仕事でいなくて。しばらく、シてなくて。そうでなくても、ドイツがそんなこと言うことが珍しくて、求められてる、そう思うだけで、ぞく、と背中が粟立ってしまう。 「いや、か?」 少し、落ち込んだような声に、笑ってしまった。 「やじゃないよ。…うれしい。」 体を反転させてぎゅう、と抱きついたら、軽々と抱き上げられた。 ドイツのキスは甘いドルチェのようだと思う。心をとろかす、甘い甘い口付け。…ドイツの作るドルチェはみんな好きだけど、やっぱりこれには敵わない。 最初は俺がリードすることの方が多かったけど、今はもう、ドイツにされるがまま。 とくに、今日みたいに久し振りなときは。特別に甘く感じる。 何度も唇を重ね、溶かされる。ドロドロに煮詰めたシロップを飲んでいるようだ。 「ど、いつ、ぅ…」 繰り返されるキスに酸欠で苦しくて、ドイツの唇を両手で押さえる。 は、と必死でつく息。くらくらと意識が揺れる。 そうしたら、ぺろり、と手のひらを舐められた。 「ふぁっ」 「イタリア…」 低い声に、ぞくん、と背筋がびりびりした。 欲がにじんだ、声。…そんなの、めったに聞けない。ドイツは、そういう感情隠した方がいいって思ってるみたいだから。滅多にないけど、こんなに、欲しい、と全身で感情を、欲望を向けられるのは、それだけで気持ちよくなっちゃっいそうで。 ぷつり、とボタンを外される。胸を直接やわやわと触られる。唇が、首に触れる。ひぁん、と声があふれた。 「ど、ドイツ、あ、あんっ」 「もっと、だろう?」 「う、うん、きも、ちよくして…っあっ!」 胸に吸い付くドイツの頭を抱きしめる。素直に言った方が、たくさん気持ちいいことしてくれるから。少しくらい恥ずかしくても、言った方が、気持ちよくしてくれるし。 声を我慢するのはもともと苦手。ふぁ、と声を高く上げて、きゅ、とドイツの頭を抱きしめる。ドイツが触れるだけで、もうイっちゃいそうに気持ちがいい! 「や、も、ドイツ、下も…っ」 「我慢。」 低く言われて、泣きそうになる。う、え、と涙目で見ると、優しいけれど、強い目で見られた。ぞくん、と震えてしまう。 「我慢、だ。イタリア。」 頬を撫でられる。その仕草は本当に優しくて、慈しむような仕草なのに、かけられる言葉は、虐めるようなもので、思わず、息を飲んだ。 嫌なのに、我慢なんてできないのに、もっと気持ちよくされて、イってしまいたいのに、できるだろう?そう言われたら、うなずいてしまう。うなずいたら、それを理由に、焦らされまくるのわかってるのに。そういうときのドイツは意地悪だから、本当にイかせてくれないのわかってるのに。 「いい子だ。」 頭を撫でられる。優しいのに、優しくない。ふぇ、と泣きそうになる。 抱きしめられる。体を這う、手。 びりびりと震えながら、しがみつく。頭をすりすりとすりつけて、ふ、う、と耐える。 「声は我慢しなくていいんだぞ?」 「だ、って、」 声我慢しないと、無理なんだもん。じわじわと指が柔らかく優しく、肩や背中に触れていく。じわじわとたまっていく快楽。でも、決定的な刺激にはなってくれなくて、いやいやと首を振る。 そうしたら、ずい、と顔を覗き込まれた。 綺麗な蒼い瞳が間近にあって、な、何、と涙の浮かんだ目で見返すと。 ふ、と笑われた。 「その顔、結構好きだ。」 快楽に溺れて、でも完全に理性を飛ばすことはできなくて。羞恥と快楽の間で、眉をひそめ、目尻に涙を溜めた、表情が、好きだと、そんなことを言うから。 「…っどSっ」 思わずにらみつけたら、すまない、と笑いながら言われた。 表情は笑ってるけど、でも。本当に、すまないと思っているのだ。彼は。自分の好みに付き合わせてる、とか、そんな風に考えてるんだろうな、また。そう思って、でも、と呟く。 「でも、好き。」 そんなとこも、全部全部、あわせて、ドイツが好き。そう見上げたら、目を丸くしたドイツの顔! 「…っ、まったく…おまえには敵わない。」 「えへへ〜。」 勝った〜と喜んでいたら、す、とドイツが離れた。 「ドイツ?」 「そんな可愛い顔をされたら。」 我慢できるわけがないだろう。 そう囁かれて、なに?と思っている間に、ドイツは体をずらして、足に手をすべらせて、大きく足を開かせて。 「え、ちょ、待って、どい」 「待たない。」 吐息が太股に当たって、焦ったときにはもう遅くて。 かぷり、と突起に噛み付かれて、焦らされて敏感になっていた体はそれだけで達してしまった。 「…っ!は、あ…。」 「イったのか。」 早いな。いつもなら笑いながらのそのセリフを、何故だか無表情に言われて、目を開く。 その瞬間に秘部に指が入ってきて、またすぐに閉じることになった。 探るように、傷つけないように触れてくる指がもどかしくて、腰を揺らす。 「…おまえのせい、だな。やっぱり。」 「な、に?」 いきなりの話についていけなくて、問いかけたら、腰をしっかり固定された。 そのまま、入った指を抜き差しされて、声を上げる。 「ふあ!あ、や、あっ、そこ…!」 「おまえがそんなだから、本気で求めるのが、恐ろしくなるんだ。」 「や、な、に、あん、や、あああんっ!」 焦らされて欲しくてたまらなかった快楽で、思考が焼け切れそうな俺には、 もうまともに聞いてられなくて。 「だから、焦らしたりして気を紛らわせてからにしてるんだが…聞いてないな?」 「や、ど、いつ、止めないで、もっと…っ」 止められた指に、腰を揺らそうとするのにしっかり掴まれて動かなくて。 ドイツ、と泣きながら見上げたら、いいのか、と聞かれた。 「明日立てなくなるぞ。」 いいのか?そう尋ねられる。…ドイツは、俺が、子供たちのために料理作るの好きって知ってるから。だから、ためらってる。優しいドイツ。 「好きって言ってくれたら、いいよ。」 子供たちの為の時間も大切だけど、ドイツの為の時間も、大切だから。 笑ってみせると、キスが降ってきた。 「ありがとう、イタリア。…愛している」 ず、と入ってくる感覚に酔いしれる。 「あ、あ…」 「…っ、きつ、い、な…」 緩めて、囁かれて、頷いて力を抜く。 「ひあっ!あ、ん…っ」 弱いところをかすめて、奥まで入ってくる。ドイツのは大きいから、一番奥まで満たして、ぎりぎりで全部入る。 「…は、いっぱい…」 思わず呟いたら、おまえは…っと余裕のなさそうな声で言われた。 ゆっくりと動き始めるドイツに、しがみつく。 「あ、あん、ふ、ああっ」 「…愛してる」 イタリア。甘く呼ばれた次の瞬間、がくがくと体を揺さぶられた。 激しい動きに、一瞬気が遠くなる。 「あっやっあっあっあ!」 「いた、りあ…」 好きだ、愛してる。囁かれる言葉が、耳を、這う手が、胸を、叩きつけられる腰が、そこを、全身を一度に愛撫されてる気がして、一度イってしまった。 それでもドイツの動きは止まらない。より一層強くなるくらいで。 「ああっあ、ど、いつ、ドイツ…っ!」 「…っ」 キスをして、舌を絡める。零れる唾液を気にする暇もなく、出し入れされる自身に、翻弄されて。 「ん、んっんん…っ!」 びくびく、と体を震わせたら、強く抱きしめられた。 「あ、は、や、あ…っ」 意識が朦朧としている。もうどれだけ時間が過ぎたかわからない。何回目かもわからない。視界がくらむ。意識が途切れる。 「あ、あ…っ」 ぐちゅり、と音がする。イタリア、低く呼ばれる。くらくらする。すりよる。気持ちいい。それ以外に何も考えられない。 「イタリア…」 ず、と突き上げられて涙がこぼれた。 「悪い、まだ、」 離せない。そう囁かれて、首を横に振る。 いいの。欲しいだけ持っていって。それは、ドイツがそれだけ俺のこと好きってことだから。 きゅ、と首を腕を回して、すき、と呟く。「…、イタリア…!」 「あ、あ、あっ」 ぐちゅり、と奥まで入れられて、また意識が途切れだす。 それでも、ドイツの背中に跡を残して、全部を受け止められるようにと快楽の波に飲まれて溺れないよう、しがみついた。 頭を撫でられる感覚で、目が覚めた。 明るい部屋の中。 ふわりふわりと、髪を撫でる手。 ドイツ?呼んだつもりだったのに、声が出なくて。 「ああ…起きたか。」 水いるか?尋ねられてうなずく。今何時だろ、と時計を見たら、十二時回ってた。わはー、寝過ぎ。…でもない?かな? 完全に意識が飛ぶ前、もうすでに太陽が昇っていた気がするから。 「子供達は?」 うわあ声がらがら。けほん、とせき込んだら、ドイツが水を飲ませてくれた。 「遊びに行った。」 みんなで海行くらしい。そう言われて、そっか、と呟く。また頭を撫でる優しい手。 それが気持ちよくて、またうとうとしだす。 「また寝るのか?」 イタリア。柔らかく呼ばれて、頬に伸びてきたその腕を掴まえて、ぎゅ、と抱きしめる。 「ドイツも一緒に寝るのー…」 「…やれやれ。」 ため息つきながらも、俺のそばに寝転がって、抱きしめてくれるドイツが大好き! ドイツすきーと眠気の中で抱きついたら、とびきり優しいキスをしてくれた。 「おやすみ、イタリア。」 戻る 紅月様からのリクエストで、「積極的な独とそれに喜ぶ伊のラブラブにゃんにゃん」でした〜こ、こんな感じですか? いつまで経ってもばかっぷるvな二人です。周りから見るとはた迷惑です。こんなかんじにいつまでたってもいちゃいちゃしてるといいです。 こんな感じですが、少しでも気に入っていただけると嬉しいです。 ありがとうございました! |