.

カナダ。甘い、大人な声がそう呼ぶのを聞くのが、とても好きだ。
かなー、カナダー?カーナーダー。囁かれる、声。
軽く体が揺れている感覚。とろりと意識が浮上してきて。
「んん…?」
ゆっくり、目を開けると、おはよ、カナダ。と優しい笑顔。
「…はよ、ございます…。」
ちゅ、と額にキスされた。もう朝だよ。起きて。ご飯食べるだろう?
青い瞳に、こくりとうなずいてみせると、じゃあ起きて、ほら、と体を抱き起こされる。
ふわ、と漂う香り。香ばしい、いい匂いだ。それで一気に、目が覚める。
「キッシュ焼きました?ベーコンとホウレンソウの。」
「お。あたり。カナダの鼻は動物並みだなあ…。」
「それ褒めてます?」
「褒めてるよ?…とりあえず、お兄さんが何作ったか、匂いだけで判別しちゃうのはすごいだろ。普通に。」
何でホワイトソース作る前に、グラタン作ってるとかわかるんだ?不思議で仕方が無い。その声を聞きながら、そうですねえ、と考えて。
「……愛の力、じゃないですか?」
「お。言うねえ。」
くすくす笑いあって、ほら、そのキッシュを食べよう。温かいうちの方がおいしいだろ?と言われてうなずいた。

フランスさんの作るご飯はほんとうにいつもおいしい!
いつも作ってもらって申し訳ないなあとは思うのだけれど、おいしいです!と心からの感想を告げると、そう言ってもらえると作った甲斐があるよ、と幸せそうに笑う彼には、いつもすみません、より、おいしいって笑ってくれた方がうれしいなと言われたばかりだ。だから、ありがとうの気持ちを込めて、おいしいです、と言うことにしている。もちろん、心から!
「そういえば、カナ、今日は一回仕事行くんだろ?」
「ああはい。判子押すの一箇所忘れてたらしくて…。」
ため息。もういつまでたってもこういうミスがなくならないんだよなあ…。こっちに作ってもらった方の仕事場で見つかったからまだよかったけど。家からすぐだ。
「じゃあ、車で迎えに行くよ。遠出してデート、とかどう。」
「ほんと!?」
ぱっと表情を輝かせると、かわいいなあと頭を撫でられた。楽しげな表情。
「もちろんほんと。どこ行きたい?」
「じゃああの、お弁当持ってピクニックとか、」
「わかった。とびきりのお弁当作るよ」
期待してて、とウインクされてもう嬉しくってはい!と元気に返事をした。


お弁当を食べ終わっておなかいっぱい!フランスさん特製のサンドウィッチはほんとうにおいしかった!
芝生の上にシートを敷いて、丘の上から、公園中を見渡す。

「…カナは、ここの公園好きだよね。」
「はい!」
自然がいっぱいで、大きな木もあって。走り回ったり、木登りしたり、のんびり昼寝したり。何でもできるから、好きだ。
「木登りかあ…おにいさんにはきついなあ。」
苦笑する彼に、くすくす笑う。年ですね、なんて言ったら気にしてるの知ってるから言わないけど。
見渡すと、池のほとりを子供たちが走っていった。
元気な笑い声。聞いてるこっちまで、笑顔になってしまうような、明るい声。

「…いいな。」
ぽつり、と呟くと、ん?とフランスさんが顔をのぞきこんできた。
「子供。」
「子供?」
「木登りとか、一緒に遊んだりできる子だと楽しいだろうなあって。」
小さな手を引いて、一緒に。それはきっと、とても楽しいだろうから。
小さく笑うと、ぐい、と腕を後ろに引かれた。シートの上に仰向け倒れこむ。逆さにうつる、フランスさんの顔!
「…がんばって、みる?」
囁かれる甘い声に、ぱちり、と瞬いて、顔の輪郭をなでられて、子供。…欲しいんだろ?そう尋ねられて、か、と頬が赤くなった。

「誘われたらがんばらなきゃなあ。」
「え、や、あの、べ、別に誘ったとか、そういうんじゃなくて、」
「うん。…いたらいいなって、俺も思うよ。」
カナと俺の、子供。そう囁かれて、その瞳がとても優しくて、頬に触れる手に、自分の手を重ねた。

「…がんばってみる?」
もう一度聞かれて、小さくこくり、とうなずいた。
「帰ろうか。」
「はい。」
低く囁かれて、触れるだけのキスを、交わした。



甘くキスをして、小さく愛の言葉を囁きあって。一番深くでつながって、甘い甘いフランスさんの言葉を聞くだけでとろけてしまいそうになる。

「愛してるよ、カナダ。」
囁くようなそれは何より甘い。ずるい。
「…、ず、るい。」
声に出したら、え?何が?とおかしそうな声。…僕の方はもう余裕なんて全然ないのに、まだ笑う余裕、あるんだ。…やっぱりずるい。
「僕、も、限界なのに、なんでそんな、余裕あるんですか、」

メガネのない視界では、涙のたまった視界ではあまりよくは見えないのだけれど、見上げると、蒼い瞳が困ったような光を宿した、気がした。
「…それは、隠すのが得意なだけだよ。」
おにーさんももう限界。そう言って、彼はず、と奥まで突き上げられた。
思わず目を閉じて首にしがみつくと、そのまま、ね、と言われる。

そのすぐ後に、がつがつと突き上げられて、体が震えた。声が勝手に出る。止まらない。
「あ、ああ、ん、ふあ、」
「…っ、かなだ、」
余裕の無い声で呼ばれるとぞくぞくしてしまう。きゅ、と締め付けると、彼が小さく息を吐いたのがわかった。
「んあ、あっ、ふ、らんすさ…!」
「…、愛してるよ、カナダ。」
耳をかぷりと噛まれて、頭が真っ白になったその瞬間、一番奥に注がれたのが、わかった。


「カナは、男の子がいい?女の子がいい?」
「んー…男の子、かな。」
愛しいフランスさんの腕に包まれてそう答えると、どうして?と囁くように聞かれた。
「だって、女の子だったらフランスさん、おしゃれさせてそうですもん。」
スカートじゃ木登りできませんから。そう言うと、彼は目を丸くした後で笑った。

「なるほど。」
「ああ、でも女の子もかわいいと思いますよ。」
「カナに似て?」
「えー。小さいころのフランスさんに似て、じゃないですか?」
くすくすくす笑いながら言い合えば、心が温かくなっていく。明るい未来の話。それができる、幸せ。

「…きっと楽しいですよ。」
「そうだな。」

それは、きっと遠くない、未来。



戻る


くさなぎ様からのリクエストで「仏加の新婚時代の話。裏は流れ次第。加に甘々な仏」でした

あんまりエロくはないですが…幸せな感じが伝わればいいなと思います。

こんなですがすこしでも気に入っていただけたらうれしいです。
ありがとうございました!













































.

ばふん。
カナダに勢いよくベッドに押し倒されて、えーと。と呟く。
「フランスさん。」
わあ。怒ってるっぽい。ええと。何したっけ。………心当たりがありすぎるあたり本当に申し訳ないと思うんだけど。
「ハイ。」
とりあえず返事をすると、まっすぐ見つめてきていた瞳がまぶたの向こうに隠れた。

「…シたい、です。」
………。

…状況的にはおいしいんだけど。据え膳はありがたくいただく主義、なんだけれども。
重ねられる唇。うながすようにぺろりと舐められ、開けば入ってくる、舌。
お兄さんが教え込んだから、なかなかの腕前のキスを交わしながら、その顔を見上げる。
…本当に一瞬。見えた。泣き出しそうな、眼鏡の向こうの瞳。
今も、つらそうに眉をしかめたままで。
…こんな表情されちゃ放ってはおけない。

そう思って、その体に手を回し、ひょい、と体を起こした。横抱きにして腕の中に彼女を閉じ込める。
「わ…!」
「カナ。…どうしたの。」
優しく尋ねて、キス一つ。そうすると、別に。とそらされる視線。
…その表情が、言葉よりずっとわかりやすく、語っている。
拗ねてる。かまってもらえなくて拗ねてる、子供っぽい顔。
最近カナダが忙しかったから、子供達の相手を全部引き受けていたのが、原因。かな?
「ほっとかれて寂しかったんだ?」
指摘すれば、何でわかったの、と言わんばかりに目が大きく見開かれる。うん。大当たり、みたい。

「やっぱり。」
言うと、彼女は困ったように眉を寄せて。
「…だって。」
僕は仕事がんばってるのに、みんなの笑い声聞こえるし、フランスさん、来てくれないし。ぼそぼそ。言いながら抱きついてくる彼女の頭をごめんな。と言いながらなでる。
「仕事は?」
「…終わりました。」
「じゃあもう、暇?」
こくん。うなずく彼女ににっこり笑って、するすると手を伸ばして服を脱がせる。
「え、あれ、あの?」
「シたいんだろ?」
耳元で囁くと、かあ、と頬が赤く染まった。かーわいー…

「そんな積極的に誘われたら乗らないとなあ。」
「や、あの、その、」
「カナダ。」
吐息混じりに囁くのに弱いのは、知ってる。びくん、と震える肩。
その間にも手を止めず、脱がしていくと、白い肌。あ。痕消えてる。付け直しておかないと。
「…あっ」
か細い声。とろけそうなそれを聞きながら、膝の上で身じろぎする彼女にキスを何度も落としていく。赤い花が散るのはとても、綺麗だ。

「や、あっ、んっふ、らんすさん、そこは見える…!」
「見せてやればいい。」
俺のだって、見せつけてやればいいよ。囁くと、耳まで赤く染まった。それがおいしそうで、かぷりと噛みつく。
「あっ!も…!」
いやいや、と首を横に振る。その動きに力はない。もう息が上がってしまっている。何度抱いても恥ずかしそうな表情がたまらない。本当に!

「カナダ。眼鏡、はずして」
「…へ、」
「キスしたいから。外して?」
耳たぶに唇を当てたまましゃべると、びくりと体が震える。…このまま腕の中に一生閉じこめてしまいたいほどかわいい。おそるおそる、眼鏡を外してこっちを伺う、潤んだ青紫とかほんとにたまらない。

その想いを深呼吸で収めて、噛みつくような勢いで、けれどけがはさせないように口付けた。


ぐちゅぐちゅ、音を立てて中でばらばらに指を動かす。あ。顔逸らされた。
「カナ。こっち見て。」
ふるふるふる。首を横に。…見たいんだけどなあ。感じてるカナダの顔ホントにたまんないから!
カナ。カナダー?何度か呼ぶけど、やだ。って。子供みたいな声でやだ、と言う。そんな風になるのは、もう我慢できないくらいの快楽で、頭の中がいっぱいの証拠。
だから、手を離す。指をするりと抜くと、あ。と残念そうな声。
「カナダ。こっち、見て?」
もう一度言う。見ないと続きしない、っていうのは言わなくてもきっと、わかってる。
ゆっくりそろそろと、見える、赤く上気した肌の中の紫。
ああもうほんとたまらない!
ぎゅ、と抱き寄せ、途中で終えてしまったそれを再開した。


絶景。…なんて思ってるってばれたら口きいてくれなくなりそうだから言わない。
「あ、あ、んん…っ」
ゆらゆら揺れているのはカナダの体。繋がった後、自分で動いてみる?ってきいたら、真っ赤になりながらもうなずいたから。
たどたどしい動きだけれど、がっちりくわえこまれてかなり強い快楽が襲う。気を抜くとこっちがやられそうだ。
「っ、カナは、気持ちい?」
尋ねると、泣きそうな瞳がこっちを見、困ったように眉を寄せる。
…んー。気持ちいいんだけど、でもうまく動けないせいで物足りなくて、でもそんなこと言えないし、ってとこかな?
小さく笑って、その腰に手を回す。
タイミングをあわせて、いいところに当たるように動かせば、上がる甲高い声!

「ああっ!や、そこだ、んんっ!」
一度たがを外すともうだめで、その暖かい体を、愛しい声を求めて何度も突き上げる。
そうすればすぐに、声が上擦っていって。
「やっ、だめ、フランスさ…!」
泣き声に近いそれを聞いた瞬間、ぎちりと強く締め付けられた。思わず息を詰め、最奥に吐き出す。
ふらり。倒れかかってくる体を抱きとめ、かーわいい。と今度は口に出して笑った。

戻る



真夜中青様からのリクエストで「加が嫉妬して襲い受け」でした

あんまり襲い受けっぽくなくなってしまいましたが…ラブラブな二人が表せてるといいなと思います

こんなですが、少しでも気に入っていただけるとうれしいです
ありがとうございました!










































.

大きな背中だと、思う。ドイツさんみたいに鍛えてないし、アメリカみたいに若くないから。とかなんとか言っても。飛びついてもぐらつかない体。さすがに、子供達と一緒に、だと倒れそうになってたけど。

今は、うなじから背中のラインが綺麗に見える。しっかりした、男の人の体。
料理のときは邪魔だから。と一つにまとめている髪が、きらきらしている。触ったら邪魔、かなあ。
考えながら見つめる。後ろ姿、は昔から、…昔のことがあるから、苦手なんだけど、でも。

…フランスさんはどこから見てもかっこいいよなあとため息。
「何、おなかすいた?」
するとほら。気をきかせた台詞。きっとこういうの脊髄反射でできるんだろうなあ…でも、振り向いてくれないのがちょっと不満。せっかく二人きりなのに。

「なーんでもないでーす。」
言いながら、シンクの下から調味料を取り出している彼に後ろから飛びついてみる。それからこっそり、いたずら。

「ん?甘えただな、今日はやけに。」
ダメですか?尋ねながら、くすくす笑って揺れる首に抱きつく。うん。バレてない。

「いいや?大歓迎。でもー…あんまりかわいいと、ランチがディナーになっちゃうけどな。」
「いいですよ。」
はっきり言えば、丸くなった瞳が振り返る。そのぽかんとした表情に噴き出して、ちゅ、と唇にキスを落とす。
「…珍しいなあ」
すぐににやついた笑顔を浮かべた彼が、火を消して、抱き上げてくれた。
「…だって、久しぶりじゃないですか。」

二人きり。っていう状況が久しぶり。ここのところ、仕事が残ってたり子供達と一緒に寝たりで、二人きりっていうことがなかったから。

だから、今日はってずっと思ってた。朝からずっと。
なのにフランスさん食事の準備しに行っちゃうから。

「独り占めしちゃダメですか?」
見上げると、大歓迎。だけどね、と少し掠れた声が聞こえた。
首を傾げると、ベッドの上に下ろされる体。

それを追うように、彼が覆い被さって。
間近に、青。
「あんまりかわいいこと言うと、ちょっと覚悟してもらわないといけなくなるよ?」
覚悟って何をですか?尋ねる前に、唇をふさがれた。




「あ、ん、あ!」
「いい声。もっと聞きたいな。」

その言葉にかああ、と顔が熱くなった。いやいやと首を横に振って、唇を噛もうとするのに、何でわかるのか、フランスさんの長い指を口に入れられたらそれもできなくて。

「っ、ぅん、あ、あ…」
くちゅくちゅと中をかき回される感覚は何回したって慣れられそうにない。頭の奥が痺れていく、みたい。

「あ、ダメ、あん、ふ、ふらんす、さ…!」
丁寧なのに強い動きにもう我慢なんてできそうになくて、その首に腕を伸ばした。指が口から離されて、すぐに降ってくるキス。ちゅく、と舌の先を吸われた瞬間に、びくりと震えて、達してしまった。

「んん……っ」
くたりと体から力を抜く。そうすると、ゆっくり指が抜かれて、でもキスは続いて。


上顎を下でなでられると弱い。そんなことフランスさんの方がばっちり知ってて。

「…は、…!」
さすがに息が続かなくて首を振ってキスから逃れると、彼はそのまま耳や頬に口付ける。
「カナかわいい」
囁く声はいつもよりずっと低くてどきどきする。
「ん…」
「カナ、俺も気持ちよくなってもいい?」
髪をなでて尋ねられ、小さくこくんとうなずいた。


「あ、あ…っ!」
ひゅ、と息を飲んだ。ぐちゅ、と聞こえる音に顔が熱くなる。それと、中を締め付けてしまって、くっていう低い声が聞こえた。

「…っカナダ、緩めれる?」
「っ、ゆるめ、あ、ん…」
なんとか、息を吐いて緩める。途端にずぐん、と奥まで突き上げられて、悲鳴を上げた。
「ああ…!」
「っ…カナダ…」
ちゅ、と額にキス。大丈夫?と優しい声で言われて、うん、とうなずく。
目尻を触られ、やっと自分が泣いていたことに気付く。

「苦しくない?」
「は、い…」
うなずくと、うごいていい?と囁く声。
答える代わりに、そっと腰を揺らすと、息を飲んだ音が聞こえた。
「…っ、覚悟してね、カナダ」
うなるように言われて、きゅ、と目を閉じた。




ただいまー!とユニゾンの声に、おかえり、と声をかける。
「ちゃんと手洗えよ〜」
声をかけると、あはは!と声がした。

「?」
振り返ると、笑う双子の顔。
「パパ、やられたわね〜」
「何が?」
何。どうしたの。ぱちぱち瞬くと、首の後ろ。ととんとん、と示された。
首の後ろ?と触るけれど、何もなく。

「虫にでも刺されたのかしら?」
「あらサラ。この季節に?」
にこにこと笑いあう二人に、しばらく考え、気付いた。どうやらキスマークがついているらしい。…最初に抱きついたとき、かな?ほんとに珍しい。
「いいだろ〜?」
「仲良しさんね。」
「ほんと!」

子供達の言葉に、まだ眠っている奥さんの顔を思い出して、笑った。


戻る



九龍様からのリクエストで「料理してて髪をあげてる仏にドキドキな加(仏の髭なし。子供達不在)後ろから抱きつかれて誘われて驚いて嬉しくてニヨニヨして乗ってベッドへ子供が仏の項の所有印に気付く(抱きついた時につけた)貴方が悪いんですよ格好いいから。な加」でした


こんなかんじでしょうか?あまり合ってなかったかもしれないですが…

こんなですが、少しでも気に入っていただけたらうれしいです
ありがとうございました!