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「トリックオアトリート!」
声をかけると、はい、とおいしそうなお菓子。
「わぁ!おまんじゅう?」
「こんな行事に和菓子もなんですが…食べ慣れてないものの方が楽しいかと思いまして。」
「うん!ありがとう!」
一個ずつ入った袋を二つ受け取って、それからこれ、ともう一つ袋が出てきた。
「イタリアくんの分です。」
「ありがとう!ママ喜ぶよ、日本さんの料理好きだから!」
にこにこ話していると、隣でわ、と声がした。

「ガヴィ?」
わたわたしているのをきょとんと見ていると、日本さんのため息が聞こえた。
「イギリスさん何してるんですか…」
「…だって」
「でももだってもありません。いくらドイツさんと仲悪いからって子供たちに関係ないでしょう?まったく…大人げないんだから…」

「姉さん、取って、重い、」
言われて、後ろを向くからフードの中に手を入れると、ずっしりと重い缶が入っていた。
取り出すと、それは日本茶の缶で。
「ついでだ。…勘違いするなよ、別におまえらのためじゃなくて、日本の作った菓子を味わうためにだな、」
「はいはいはい」
あしらわれてるのを見ながら、やっぱりエリとケイに似てるなぁと思った。

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