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ゆっくり2人で帰り道を歩く。
「ああ楽しかった!いっぱいお菓子ももらえたし!」
リュックに一杯のお菓子が、肩にずっしりと重みを伝えている。
あいづちくらいは帰ってきてもいいはずなのに何も聞こえなくて隣を見ると、眠そうにあくびをするガヴィ。

「ガヴィ、眠い?」
「…へいき」
そう答えるものの、こする目はとろんとしていて、足取りもふらついている。
「いっぱい歩いたもんね。」
ちょっとつかれたな、と思った瞬間、あくびがうつった。ふああ、と声を上げて、手を伸ばす。
私より少しだけ小さい手をつなぐ。
見上げてくるガヴィに、笑って見せた。
「もうちょっとだから、がんばろ」
「…うん。」
ガヴィも、ちょっと眠そうにだけど、笑った。

「…見て、ドイツ。」
「ん?…あいつら…玄関で力つきたのか。」
「いっぱい遊んできたみたいだね。」
「そうだな。…仕方ない、イタリア、ガブリエルを」
「はぁい。…わはー重い!どれだけお菓子もらってきたんだろ」
「横取りするなよ」
「しないよそんなの!」
「こら、しーっ!」
「ん、ん…」
「…」
「…」
「…イタリア…」
「ごめんなさい…」
「まったく…早く運ぼう」
「うん。…おやすみ、二人とも。」
よい夢を。



-end.-

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